のと鉄道の廃止になった路線のかつての駅に足を運ぶ「廃駅の旅」の続きだ。
通称「輪島線」こと七尾線の穴水~輪島間の「能登三井駅」の次の駅「能登市ノ瀬駅」が現在どうなっているのか気になったので足を運んできた。
旧「能登市ノ瀬駅」へ
前回、足を運んだ旧能登三井駅内の駅カフェの女将さんに能登市ノ瀬駅への道のりを訊ねた。
三井駅からだと5kmくらいは離れていて、道も説明しづらいところにあるという。
教えてもらった道順で実際に向かってみたところ、自分も曲がらなければならないところを見落としたりしてしまった。
とりあえず県道1号に合流
こうして見下ろすと川が流れていて、長閑で山なところだなぁと思った。
写真の右に見える道路を真っ直ぐ進むと、そのうち分かりづらいけど分岐路が現れて、そこを右に入っていく必要がある。
目印は「荒田」というバス停だと教わったのだけど、車で走っていて、その「荒田」バス停を目視できる人は相当目が良いだろう。
自分にはわからなかった。
こちらが分岐路
角の案内にはこう書かれてある
ここを右に曲がらなくてはならないのだ。
県道1号(七尾輪島線)を輪島方面に向かって走っていて急に現れるので、見落としやすいと思う。
自分はつい真っすぐ行ってしまったのだ。
右に曲がった先に確かにバス停もあった
「荒田」と書かれたバス停だ。
県道1号を走っていてやすやすと見えるものでもない。何度もいうが自分には無理であった。
何にせよ、このバス停前を通過して、さらに真っ直ぐ(写真では奥の方へ)進んでいくと目的の場所に近づくことができる。
なにもない
荒田バス停前を通過して暫く進むと、そのうち次のバス停が見えてくる。
その名も「市ノ瀬」だ。
右手に現れるバス停「市ノ瀬」
注意が必要なのだけど、「市ノ瀬」という名前のバス停はここらへんに2つある。
先程の分岐点で右に曲がらずそのまま県道1号を走っていても「市ノ瀬」と言う名のバス停が現れるのだ。
そちらは能登方面の特急バスも停まるけど、写真のこちらは特急は止まらないそうだ。
それでも、目的の廃駅へと向かう目印はこちら側のバス停である。
グーグルマップ等で能登市ノ瀬駅があった所在を探してみても、この写真のバス停の角を右に曲がった先を示すのだ。
こちらがその地図
バス停載ってないしすんごく分かりづらいけど、地形や実際に歩いてみた道路の形からそこであることは間違いなく、見聞きした情報からもこのバス停「市ノ瀬」の後方に能登市ノ瀬駅があったそうだ。
こんな感じで右に曲がってみる
この曲がった先に駅があったはずなのだが…
はずなのだが…
なにもない…
実はここに向かう前に、旧能登三井駅構内で駅カフェを営んでいる女将さんに話を聞いてみたところ、能登市ノ瀬駅はその駅舎もすべてなくしてしまったと教えてもらっていた。
どこまでなくしてしまったのか、その具合を確かめる意味でもこうして実際に足を運んでみたのだけど、本当に駅舎がキレイになくなっていた。
写真右手に見える建物が駅舎の名残なのかなとちょっと期待をしてみたりしたが、近づいて見るとそれもまた違っていた。
周りは田んぼや住宅ばかりで、駅舎だけではなく、駅のホームや線路ももちろん残っていなかった。
むかし線路が走っていたと思わせる道
ここに線路があったという確証はないが、それっぽい道だった。
せいぜいコレくらいしか駅の名残を感じることができなかった。
旧能登三井駅の駅カフェの女将さんが何も残っていないことを教えてくれたときの寂しそうな顔が思い出された。
まとめ
教えてもらっていたとおり、ものの見事に駅舎はなくなっていた。
何も知らない人からすると、かつてそこに駅があったということも気づかないであろう。
それくらいなにもない。
路線廃止から10年以上も経っているのだ、常識的に考えてこういうこともあることだろう。
いや、能登三井駅だって壊される話が出ていたというのだ、残っていることのほうが奇跡なのかもしれない。
この企画、ある意味奇跡を見つける旅なんじゃないかと、そんなふうにすら思えてきたほどだ。
ちなみに、駅舎が何も残っていないなら、その周りの現在の町の様子、例えば飲食店等のお店なんかを紹介できればいいかなと思っていたのだけど、このあたりはホント、新旧の民家と田畑ばかりなので、それも諦めることにした。
営まれているものといえば、先程写真で挙げたバス停くらいだろうか。
バス停を撮っていたらちょうどバスがやってきた
バス待ちだと思われたようで、停まってくれた。
お客でなくて申し訳なかったです。
このバス停まで廃バス停だったらマジで寂しいなと思ったけど、このようにちゃんと営んでいます。