初心の趣

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亥年だからジビエを食べたい11 イルボッツォロ「白山麓猪と香味野菜の赤ワイン煮込みソースタリアテーレ」

2019年は亥年だからイタリア料理でもイノシシを食べたい!の同企画第11弾だ。

今回は能美市仏大寺町にあるイタリア料理店イルボッツォロに行ってきた。

そこでジビエを使ったパスタを頂いてきた。

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能美市仏大寺町のイタリアン

目的のイタリアンレストランは能美市の仏大寺町にある。

自分はそれまで仏大寺町なんて名前を聞いたことがなく、どのあたりにあるのかも全くわかっていなかった。

町の中あたりかなぁ、なんて勝手に安易に想像していたら…

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山の中だった

ほんと、普通にイノシシが出てきそうなところだった。

自分の車のちょっと古いナビではここまで連れて行ってもらえなかった。

勘で山の方に入っていってたどり着いたのがこのバス停前だ。

このバス停のそばに「むくろじ会館」というものがある。

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こちら

この町の集会所だ。

ムクロジとは植物の名前だ。この仏大寺町が日本でムクロジが自生している北限なんだとか。

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木彫りの彫刻が置かれている

洒落てる。でも、これがムクロジで出来ているのかは調べが足りず不明だ。

公衆トイレも併設しているので山の中では便利なところだと思う。

この「むくろじ会館」の裏に目的のレストランはある。

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集会所の手前でこんな看板あり

矢印のとおり曲がって入っていくとすぐだ。

ただ、畑の間を通る道なので車2台は通れないんじゃないかと思えるくらいの狭い道だった。

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こちらが目的のお店「イルボッツォロ」

ぱっと見た限りでは民家のようにも見えるけど一階がレストランになっている。

雰囲気が優しいので自分としては入りやすかった。

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ここでも木彫りの彫刻を発見

しかもイノシシの彫刻だ。

ジビエを求めている者としては好感と期待が持てた。

 

猪を使ったタリアテーレをいただく

自分が足を運んだのは昼時だ。ランチとしてジビエを使ったパスタを食べれると聞いていたのでその時間にやって来た。

平日に有給を使ってやって来た(今年から有給を一定日数消化しなければならない)ので席は空いていた。土日は予約だけでいっぱいとか普通にあるらしい。

自分が今回頼んだのは「白山麓猪と香味野菜の赤ワイン煮込みソースタリアテーレ」だ。

ランチセットで注文できる。

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ということで最初の一皿

ハムとサラダから。

とりわけ自分は食習慣上、野菜から食べてしまうのでサラダから。

地元の野菜も使っているそうで、サラダを食べたときの野の香りがたまらない。

なんか田舎を思い出して懐かしくなった。

豚のハムの方はオーナーシェフの方が色々と説明してくれた。

ドングリを食べて育ったものって脂の融点が低くなるんだとか。

つまり口の中でとろけやすくなるってことなんだけど、実際そのとおりで、口に含むと優しくとけていく。

すぐに溶けるのではなく、やさしくだ。口の中で肉の硬さ(食感)も味わいながら抵抗少なく溶けていくイメージだ。

いきなり美味かった。

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そしてメインのパスタ

「白山麓猪と香味野菜の赤ワイン煮込みソースタリアテーレ」というそうだ。

タリアテーレ(タリアテッレ)というのは平打ち麺みたいなパスタのことだ。

一般的に味のしっかりついた重めのソースと絡めるものらしい。

猪肉と赤ワインのソースは、たしかに重めで合いそうだ。

なお、てっぺんに乗っているのはサマートリュフだと言っていた。

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いただきます

口に含んでみるとまず感じるのはそのクリーミーさ。

カルボナーラなみのクリーミーさでソースがねっとりと舌に絡みついてくる。

あまり水分を多く含まないという平麺パスタ・タリアテーレもツルンと食べれてモチモチ感を存分に味わえた。

サマートリュフは単体で匂いを嗅ぐと独特なものがあって、人によれば苦手と思われるかもしれないが(自分は好き)、パスタやソースと食べるとその香りのアクの強さのようなものが一切感じられなかった。

もちろん猪肉にも変な臭みなどはなく旨味だけを味わえたのだからたまらない。

猪肉もサマートリュフもともに癖のある食材なのにこうも尖ったものが削ぎ落とされてクリーミーに調和しているのか不思議だった。

すごいねプロわと、唸ってしまった。

聞いてみるとチーズも結構効かせているみたいで、あとやっぱりワイン煮込みのおかげでゼラチン質が増えているのではないかと教えてもらえた。

また、猪肉は「チマキ」と呼ばれるスネ肉の部分だそうで、パスタ等で使う猪肉はだいたいこの部位なんだとか。

赤みと筋で構成された「チマキ」はしっかり煮込んで筋抜きなんかもしなければいけないので家庭では扱いにくい部位だけど、レストランでは人気があって今現在レストラン界隈では取り合いなんだという。

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パンに猪肉とソースを乗せて

パンの一つが、こうしてソースと食べれるように塩を使ってないものだというので試してみた。

ソースを残さずきれいに食べれてありがたい。

このあとデザートも出たんだけど、写真を撮るの、忘れてました…申し訳ない。

レモンムース、美味かったです。

美味い上に色々と知れて、満足でした。

 

感想

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最後、コーヒーで締め

ランチセットなのでドリンクも付く。

自分はいつものように運転中に眠らないようにブラックのコーヒーを頼んだらビスコッティもついていた。

コーヒーに浸して食べるやつだ。

前菜からデザート、ドリンクまですんごく心意気を感じさせるメニューだったのが素敵。

自分としては猪などジビエを食べれればそれで満足といった節があったので、それ以上の付加価値を提供されて、ただのジビエの味見がただのジビエの味見に終わらず、猪を使った料理を食べることでゆったりと心のデトックスを果たせたような心地があった。

猪を単品でガツガツ食べるのもいいけど、こういうのも有りだな、いやもっと料理やコース全体を見て猪料理の評価を見直さないといけないよなと、そんなことを気付かされたイルボッツォロでの食事であった。

美味しかったです。

また来たい。