初心の趣

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亥年だからジビエを食べたい5 白山麓いのししまつり

白山にはジビエもいっぱい、おかげでお腹もいっぱい。

亥年なので猪肉を筆頭にジビエを食べたがる企画、第5弾だ。

今回は白山市の道の駅「瀬女」で行われていた白山スノーフェスティバルに行ってきた。

そのフェスの2日目には「白山麓いのししまつり」も開催されるからだ。

そこで食べたジビエを紹介したい。

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いのししがメインになったスノーフェス

毎年、2月の終わり頃に、白山の瀬女の方でスノーフェスティバルが行われている。

豪雪地帯で、かつて瀬女スキー場もあったその地に雪の迷路が登場し、スノーラフティングを体験したりすることもできるイベントだ。

二日目には地元グルメを味わえる出店も並び、その中にジビエばかりを扱った「いのししまつり」と銘打ったコーナーもある。

今年2019年は、大雪に苦しめられた昨年とは打って変わって暖冬で雪不足であった。その影響はスノーフェスにも現れ、雪がないことから雪の迷路は今年中止になってしまっていた。

通年、初日は前夜祭として夜がメインで、その雪でできた迷路もライトアップされたりするのだが、ことしはその前夜祭そのものが中止となり、2日目のグルメ関係のイベントがフェス全体のメインとなっていた。

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道の駅「瀬女」に到着

もともと猪を筆頭にジビエ目的でいた自分なので、雪が少なかろうがお構いなしで行ってきた。

実際に道の駅「瀬女」に到着してみると、その道中も含めて本当に雪がないなと思った。運転する身分としては運転しやすくて助かるのだが、ここまでないと地球温暖化をちょっと心配してしまう。

なお、フェス会場はこの道の駅でありながら、フェス目的で来ている人の駐車はここの駐車場ではすることができない。

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こんな「お願い」の看板が立っている

自分は間違ってその道の駅の駐車場に入ってしまいましたが…

すぐに気づいて停めずに駐車場を探したものである。

探したいとは言え、白山スノーフェスティバルの専用駐車場はそこからすぐのところにあったりする。

会場となっている道の駅のすぐ後ろが駐車場になっていた。

誘導員もいるので迷うことはない。

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駐車場からの景色

ショートカットして会場へもすぐに行ける。

自分は歩いて一度道の駅の正面の方まで出ましたが。

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これがその会場の景色

普段は駐車場になっているところが会場になっていた。

いつもある飲食店も営業していれば、その前ではテント下で出店が並んでいる。

お腹が空いてくる光景だ。

写真でいうと奥の方にジビエ関連の出店が並び、手前の方ではそれ以外の食べ物のお店が並んでいた。

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椅子に腰掛けるクマのぬいぐるみ

人間の子供よりデカイ。

おそらくどこかのお店のものと思われる。自分の中でますますジビエ気分が高まってきた。

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奥には「白山麓いのししまつり」の看板

ジビエ関係だけでも、結構な数のお店が並んでいた。

さて、食べるとしよう。

 

無料のミネストローネから

まつりは午前10時からスタートした。

ちょうど自分がこの道の駅にたどり着いて頃であった。

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雪でできた舞台では「ぶんぶんボウル」の二人が司会進行を始めていた

二人とも石川県白山市出身だ。この石川県ではテレビでよく目にする二人だ。

そのトークによると、これら舞台の雪や、その後方に見える滑り台やかまくら等のための雪は山のより上の方から運営の方々がなんとか持ってきたものらしい。

それくらい雪不足であったのだ。

そのぶんぶんボウルのスタートの呼びかけと合わせるように、自分もジビエ料理を買い求め始めた。

まず先に目についたのが「無料」の文字であったので、そこからいただくことにした。

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「無料です」とある

いわゆる「ふるまい」だ。

いのしし肉のミネストローネとは珍しい。

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ほんとうにタダだった

器は決して大きくないものの、いのしし肉のミネストローネを無料でいただけた。

早速食べてみると、甘酸っぱいスープの中に小さな猪肉がいた。

もともと処理がしっかりしてあって臭みもないので、その甘酸っぱさの中、どちらに片棒をかつぐわけでもなく、ほのかに野の香りを醸していた。

クセもなくすんなりと食べれる。美味しい。

なお、一緒にこのミネストローネとおこわ風炊き込みご飯の作り方が書かれたレシピ紙ももらえた。

料理はヘタだけど、いつか自分でもやってみたいものだ。

 

くまカレーをいただく

ミネストローネのふるまいをやっていた同じテントの下では、くまカレーも一杯500円で売っていた。

くまカレーといえば昨年、白峰の雪だるままつりに行った際に食べれなかった思い出があるので、リベンジ心から食べたくなった。

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スパイシーとある

辛いのは苦手だけど、やっぱり熊肉は珍しいし食べたことがないので買ってみることにした。

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熊カレーだ

食べてみると、不思議なことにそんなに辛くなかった。

むしろ熊肉、初めて食べてみたけど甘みがある。

しかも柔らかい。

たしかに筋肉のスジらしきものも歯ごたえの中になくもないが、それすらもスッと歯で簡単に噛み切れる。

もちろん臭みもなければ、若干の野性味も醸してくれるので、ジビエを食べている実感も与えてくれる。

あの見た目の凶暴さから熊肉ってもっとクセありすぎかと思っていたけど、その印象はむしろ逆。猪肉にも負けない食べやすさがある。

いい意味で裏切られ、想像以上に美味しかった。

 

猪鹿ソーセージを食べる

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続いて食べたのは猪鹿ソーセージ

ジビエなので鹿もあった。ただし猪とのミックスだ。

それでも珍しいので食べることにした。

横に見えるイノシシの串焼きとも迷ったけれど、シカを選んだ。

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焼いている風景

いい匂いをさせていた。

良い処理をしてあると香りもいい。

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カップ入り

なんでカップなんだろうかと思ったら、食べてみてその理由がわかった。

これ、けっこう汁が出るのだ。

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断面図

写真では伝わりにくいし、実際に見てもパサパサ系かと思ってしまう。そうして食べてみてもキレがないような歯ごたえがする。けれど、かじったときに肉汁が出てくるのだ。

その味は、イノシシの甘みとシカのくせのある野性味がブレンドされた斬新なもの。

なんでも鹿肉って硬いらしい。野性味もあるし、それだけだと多分、癖が強すぎるのでイノシシ肉とミックスしているのだと思われる。

こう書くと強烈そうに思われかもしれないが、どちらかというと優しい味だ。優しいもののクセは残っているので、ジビエ初心者向きではないかもしれない。

自分などはかなり好みな味だった。

山のものを食べているという実感が強いのだ。

 

イノシシ丸焼きも味見

山麓のいのししまつりだけど、会場には金沢からの出店もあった。

ジビエ工房三谷というところが提供していたものは、会場でもひときわ目を引くものであった。

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それがこれ

いのししの丸焼きだ。

子供なので、いわゆる「ウリ坊」の丸焼きだ。

なかなかお目にかかれるものではない。

これをナイフで切り分けていき、一皿500円で販売していた。

皿は小さかったものの、珍しいのでこちらもいただくことにした。

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おつまみ感覚の一皿

食べてみると、猪肉の中では少々固めであった。

クセも残っていて、猪をそのまま食べているような味であった。

いや、丸焼きなのでそのままを食べているわけか。

もちろん仕込みはしてあるとのことだが、味付けも塩コショウのみとのこと。

タンパク質を食べているようなあっさりさと、わずかに残る皮下脂肪の脂身のアクはド直球でイノシシ肉だ。

これも人を選ぶようなものだろう。ただ、そのクセからビールとかお酒と合いそうであった。自分は運転があるため飲めない(普段から飲まない)ので酒と合わせたりは実際にしなかったが、おつまみとして食べたくなる一品だった。

うむ、美味しい。

ちなみに3頭用意していたようで、なくなり次第終了であった。早めに行っていて良かったと食べながら思ったものである。

 

ぶどうの木の全部のせカレーをオリジナルトッピングで

立て続けに5品も食べたので、さすがにこの頃になると腹も膨れてきていた。

でも、まだ食べる。

会場には、ケーキとかでも有名な金沢市の「ぶどうの木」の出店もあって、そのメニューの一つ「ジビエぜんぶのせ」というネーミングについ惹かれてしまった。

f:id:seisyunsanka:20190305225003j:plainジビエぜんぶのせカレー」というメニューがあったのだ

全部乗せってどういう意味ですかと訊ねてみると、提供しているジビエソーセージもおでんも全部カレーに乗せたものだと教えてくれた。

キーマカレー、ソーセージ、ジビエ出汁おでん、掲げてあるメニューを文字通り全部合わせた一品というわけなのだ。

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サンプルも置いてあった

右側のが全部乗せだ。

すごいボリュームだなと思いながらも、やっぱり惹かれるものがあったのでこちらとしては腹がだいぶ膨れていても食べたくなってしまった。

そんな自分に、お店の方がソーセージの代わりにハンバーグを乗せてもよいという。

下の方に目をやると、「ジビエハンバーグ」というメニューも書かれていたのだ。

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調理器具を見るとハンバーグも焼かれていた

そこまで言ってもらえると、自分の気持ももうそちらに傾いてしまう。

ということで…

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ジビエぜんぶのせカレー(ハンバーグバージョン)を食べる

すごいボリュームだ。

だいぶ食べた後だったので、自分でも食べ切れるのかちょっと不安になったくらいだ。

まあ、食べるんですけどね。

食べてみると、おでんの根菜もコロコロとしてボリューミーで、カレーそのものはそれほど辛くはなかった。辛いのが苦手な自分でも苦なく食べれる。

それだけおでんのジビエ出汁が甘みを持っているのかもしれない。

そして、肝心のハンバーグであるが、こちら、イノシシ肉に能登豚を少々ブレンドした合い挽きで作られたものらしい。

普段はもっと高い価格で売っているもののようで、この日も数量限定で販売していると言っていた。

その味はイノシシの味がしっかりあった。

香りも立つ。あくまで「香り」で、臭みではない。その香りの中にちゃんと野生の香りもしていた。なんだろうか、野生の粘りというか、香りにまでそういったものを感じられた。

それまでたくさん食べてお腹が膨れていたこともあってか、この全部乗せのハンバーグが一番「イノシシ」を重く受け止めたような感覚があった。

舌や鼻腔、さらには胃に、ズンッと来たのだ、いのししが。

美味いけど、ヘビー。

おかげでもうギブアップ。

それ以上は何も食べれないと、そう思った。

 

感想

以上、白山麓いのししまつりにて自分が食べたジビエ料理の紹介だ。

自分としては腹一杯になるくらい食べてしまって、大満足である。

もちろん、ほかにもまだまだいろんなジビエ料理が売られていた。

「青い鳥ワークセンター」のシカのフランクフルトや、「山の香りただよう宿 ふらり」の猪の肉シュウマイなど、食べたいものばかりであった。

満腹で今回食べれなかったけれど、また来年、もしくは祭り関係なくそのお店に直接足を運んで食べてみるというのもアリかなと考える。

どれだけジビエを食べたがるんだと自分でも思うけど、この自分の中のジビエ愛はしばらく冷めないだろう。

それくらいハマっている。特に今年は亥年なのでなおさらだ。

そんな自分なので、この白山麓いのししまつりも、自分のためにあるようなイベントじゃないかと思ったくらいだ。

なお、会場にはこんなコーナーもあった。

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狩猟体験コーナー

テントの中にスクリーンが設置されていて、映し出される山の映像の中、現れるイノシシを銃で撃つというゲームのようなものができるところであった。

自分は満腹で参加できなかったが、来年機会があればやってみたいと思った。

同時に、イノシシを筆頭にジビエは狩猟で手に入れるものだということを改めて思い出されたので、改めて猟師さんたちと、そして山に感謝するのであった。

ごちそうさまでした。