椿をまちづくりの象徴としている石川県野々市市では3月半ば頃に毎年「椿まつり」が行われる。
そこではまつり限定のスイーツなども売られており、今年は新たにアイスクリームが登場したと言うので食べてみた。
野々市中央公園へ
野々市市の「椿まつり2018」は3月17日、18日に行われ、場所は「石川県野々市市文化会館フォルテ」と「教育センター」、そして「野々市中央公園」の三箇所だ。
会場が三つもあることからわかるように一施設というよりは市を上げてのイベントだ。
目的のアイスクリームは野々市中央公園でのみで発売されているというので、自分はそちらへ足を運んだ。
中央公園へ
ご覧のように一画でテントが張れれていた。
地図でいうとこのあたり
公園の全体図。この地図で赤く示す「現在地」あたりにテントがある。テニスコート脇だ。
その名も「椿いっぷくコーナー」
善哉(ぜんざい)なんかも売られていた。
イスやテーブルが並べてあり、ここで食べていくことも出来る。
このテントのある通りを真っすぐ歩いていくとさらにはこんなものもある。
「ののいち椿館」だ
正確には「愛と和 花のギャラリー ののいち椿館」だ。
日頃から(といっても朝9時から夕方4時まで)開館している椿鑑賞用の建物だ。
入館は無料なのでひとまず気分を高めるためにこちらから立ち寄った。
先にツバキの写真を撮る
こんな感じで館内は椿がいっぱい
ツバキって、世界中に数千の種類があるそうだ。
ここでもいろんな椿が並んでいた。
白っぽいものもあれば赤いものもあり、その中間のピンク色のものもある。
花の模様も違っていたりする。他にも一重咲きするもの、そうでないもの、一重咲きでも咲き方で8種類くらいあったりと分別も細かい。
たとえばこちら
「専徳庵」と呼ばれる種類
色は薄桃色で咲き方は一重の筒咲き。産地は石川県だそうだ。
こちらは「玉霞」(たまがすみ)というもの
同じツバキなのに上のものと明らかに見た目が違う。
こちらの産地は中部とあった。
というかまるで百花繚乱
これも違う種類、あれも違う種類。すべてをカメラで撮るのはさすがに無理だなと思われるくらい種類があった。実際、すべてを撮っていない。
ということで気になったもの、特に名前が気になった種類のものを以下にいくつか写真で紹介したい。
こちらは「貴婦人」
名前のとおりの優美さがある。昔の人は上手いこと名付けるもんだなと感服してしまう。
こちらは「雛鶴」
白色だが、説明書きには「トキ色」と書かれてあった。
原産は石川県で幕末より伝わる古花だそうだ。
こちらは「タマ・アメリカーナ」
名前のとおり原産はアメリカだ。
これも国柄だろうか、花が大きかった。
こちらは「初音」
産地は中部。
ふくよかな筒咲きで清楚な花形と説明書されていた。
なんでも皇室献上の名品種なんだとか。
こちらは「紅侘助」(べにわびすけ)
産地は関東で花形は一重の猪口咲き。
色は初音と似ているけど、よく見るとその形はやっぱり違う。
長期間崩れない品種だそうで茶席に好まれて使用されるのだとか。
「ワビスケツバキ」の一種だそうで、そのネーミングもいかにも茶道らしい。
ネーミングのセンスがどれも興味深いものだ。
ちなみに館内中央の休憩所みたいなところではこんなものもある
きれいなものだ。
さらに近寄るとこんな写真にもなる
カメラが上手い人ならもっと幻想的な画になるんじゃなかろうか。
ツバキ、撮りがいのある花だ。
こう気分が上がったことでアイスもますます楽しみになった。
椿アイスクリームを頂く
ののいち椿館でツバキを観賞した後、改めてテントへ向かった。
自分はどちらかというと花より団子の性分なので、花を見ているときよりアイスを買おうとしているときの方がテンションが上ってしまう。
物販コーナーへ
物販そのものはそう大きくないが、アイスクリーム以外にもツバキを使ったクッキーやオイル、シフォンケーキなども売られていた。
お店の方に聞いてみたところ、これらすべて普段は売られていないという。
毎年春に行われるこの「椿まつり」でしか買えないものばかりなのだ。
そんな話を聞かされるとどれも欲しくなってしまう…買えませんが。
今年2018年にはそれらレアなツバキ製品に新たにアイスクリームが加わったというわけだ。
そのアイスだけでも四種類
「塩つばき」「椿みるく」「椿チョコレート」「椿ヨーグルト」の四種類だ。
全部食べてみたくなるが、予算やその他の都合で一つしか買わないことに決めていたのでひたすら我慢であった。
お店の方曰く、どれも椿の花のジャムを練り込んであるという。
おすすめを聞いていみるとどれもオススメだとか。商売上手な返答だ。
ただ、チョコレートだけはツバキよりややチョコレートの味が勝るかも知れないと教えてくれた。
さて、悩む。どれも美味しそうでならない。
悩んだ末に野々市市のキャラクター「のっティ」が一番大きく描かれているからという理由で…
ヨーグルトにした
のっティのシンプルなその顔がかわいい。
甘くどいものよりさっぱりしたものを食べたかったというのも選んだ理由の一つだ。
中はこうなっている
赤い果肉のようなものはツバキの花弁だ。
ジャム以外にも花弁が使用されている。
野々市の「マルガー」といったら能登町出身で2016年のsherbeth festival(ジェラートの世界大会)にて外国人部門第1位に輝いた「柴野大造」さんのお店だ。
いただきます
口に入れると花の風味がある。
かといって香りが強いわけでもなく(というか香りはあまりない)、味として「花」が舌の上で広がっていた。
ツバキというものをほとんど食べたことがないので自分の舌には新鮮な「味」だ。
ジャムが利いているのだろう、甘みもしっかりしているが、ヨーグルトのおかげでくどくなく、さっぱりといただけた。
いろいろとバランスがいい。
見事に美味いです。
一つと言わず、もう何種類か食べたくなってしまった。
次に食べれるのは来年の椿まつりか… 待ち遠しい。