石川県には「とり野菜みそ」という鍋の素がある。
最近ではテレビなんかでも紹介されて全国でも知られるようになっているが、いわゆるご当地フードというものだ。
そのとり野菜みそを使ったランチパックが出ているらしい。
山崎製パンもすごい冒険をするなぁと思ってしまったので買おうとしたところ、どこにも売られていなかったので、探した。
まつやの「とり野菜みそ」
自分は石川県人だからか、子供の頃、家で鍋をすると言ったら五割以上は「とり野菜」だった。
「とり野菜」という省略した言い方だけでも鍋だと伝わり、食べ飽きた者などは「またか…」とこぼしてしまうくらい、定着していた食べ物だった。
「とり野菜」の「とり」は「鳥」だと思われるが、正確には「野菜(栄養)をとる」の「とる」だ。実際、自分の家では沢山の野菜の他に鶏肉をよく使っていたので、子供の頃よく自分も勘違いしていた。同じような勘違いをしていた人というのは石川県民でも少なくないと思う。
たくさんの野菜、そして肉を鍋に入れて煮込み、株式会社まつや(石川県かほく市)が発売している鍋の素「とり野菜みそ」を入れるだけなので、安くてヘルシーだ。
石川の庶民の味方なのだ。
CM(2017年バージョン)がYouTubeに上がっていた。
いまでは漫画(東村アキコさん)とコラボしているようだが、お母さん風のキャラクターは健在だ。
ネットで通販もあるし、テレビでも取り上げられるし、全国でもだいぶ知られるようになったことは、むかしから石川県民をやっているものからすると素直に嬉しい。ただ、どこか恥ずかしいような気もしてしまうのは何故だろうか。
とり野菜みそを使ったランチパックを探す
そんなローカル発な食べ物「とり野菜みそ」が、あの山崎製パンの「ランチパック」に使われているそうだ。しかも二種類。
一つは「ランチパック みそ&たまご(とり野菜みそ使用)」
もう一つは「ランチパック 豚みそそぼろ&マヨネーズ(とり野菜みそ使用)」だ。
おまけに石川県限定かと思ったら、全国でも展開しているという。
そんなものがあるなら、石川県民として一度は食べておかないといけない!
そう郷土愛に突き動かされて金沢市内のスーパーやコンビニを探してみたところ、これがなかなか見つからなかった。
とりあえず近所のスーパーなどでは見つからなかったので、少し遠出をする際、コンビニ等を見つけるたびに立ち寄って、それらが置かれていないかちょくちょく見ていた。
加賀の方も能登の方も探した。
ところがそれでもどこにも置かれていないものだから、次第と「何かが違う」という気持ちになってきた。
石川県のご当地フードを使ったランチパックが何故、石川県内で見かけないのか?
そのことが理不尽のように思えてきたのだった。
ちなみに「まつや」の会社はかほく市にある
国道159号線沿いにある。
左が工場、右が2017年5月21日に残念ながら閉店してしまった「レストランまつや」だ。
少し前までレストランもやっていたのだ。
このかほく市の工場の斜め前には「どんたく」というこれまた地元のスーパーがあるのだけど、目の前に「まつや」があるのにとり野菜のランチパックはそこでも置かれていなかった。
さらに言うと、この工場から車で10分くらい離れた同じ159号線沿いに「ヤマザキデイリー」(河北高松店)があるのだが、そこでも売られていなかった。
ここまで見つからないと「人気がないのだろうか? 美味くないのだろうか?」と、そんなことを勘ぐってしまう。
やっと見つけた
9月の終わりごろからあちこち探してなかなか遭遇しなかったものの、先日やっと見つけることができた。
それは、かほく市白尾の七塚ショッピングプラザ「トマト」内にある大阪屋ショップにあった。
昨年リニューアルされたショッピングプラザ「トマト」
昨年の工事中、目の前を通るたびに潰れたのかと思ったけど、復活してくれていた。
あるとすれば、やはり同じかほく市だろうと推測して足を運んでみたら、そのランチパックが置かれていたのだ。
ただし、一種類だけだった。
それがこちら
「ランチパック みそ&たまご(とり野菜みそ使用)」のほうだ。
税込みで170円だった。
何故、一種類だけ… とは思うものの、やっと見つけられて嬉しい。
パッケージにいつものお母さん風のキャラクターがいて、県民としては和む… というか笑ってしまう。
裏面
「とり野菜みそ」についても簡単に説明されていた。
大豆と米麹から作る米みそに、調味料や香辛料を合わせているそうで、鍋以外でも色んな料理の調味料、また隠し味として使えるとある。
鍋以外でも使えることは知っていたが、大豆や米麹のくだりは知らなかった。
よく食べていたけど、子供の頃から馴染みのもの過ぎて何で出来ているとか深く考えたこともなかった。
さっそく食べた
たまごだ。
見た目はランチパックの「たまご」のようであった。ただ、その味は違っていた。
色も黄色、固形物や汁があるわけでもないのに、その味には味噌が染みていたのだ。
もちろん、ただの味噌ではない。子供の頃から「鍋といったらコレッ!」と食べ慣れているあの「とり野菜みそ」の味が口の中で主張してくるのだ。
県民からすると、懐かしい味だ。
美味いかどうかと問われれば、「面白い味」だ、と答えるだろう。
スクランブルエッグの隠し味にとり野菜みそを使うと、こんな味になりそうな気がする。
鍋以外でもいろんなものに合う味噌なので、久しぶりに変わったものに合わせてみたくなる。そう好奇心を刺激するランチパックであった。
感想と地図
今回、なんとか一種類だけ見つけることが出来た。
先にも書いたように、ご当地食材を使っているのに県内をあちこち探してもなかなか見つからないっていうのは寂しい話だと思う。自分の調査が足りないっていうのもあるけれど、スーパーに行けば当たり前のように鍋の素「とり野菜みそ」が置かれているように、このランチパックも当たり前のように置かれていてもいいような気が、県民からするとするのだ。
もっともこのあたりは、結局ランチパックは全国区の山崎製パンの商品だから石川県ばかりをえこひいきできないのだろうと、大人の事情を察しないわけでもない。
ただ、東京や大阪といった都会ではランチパック専門店というのがあって、そこでこのとり野菜みそのものも普通に売られているという事実が、そしてそうどこに売っているのかネットを通じて簡単に共有できるところが口惜しいし、羨ましい。
自分と同じように石川県民でこの商品を探している人がいるかもしれないので(そんな奇特な人はなかなかいないかもしれないが)、今回見つけたショッピングプラザ「トマト」内の大阪屋ショップの地図も載せておきたい。
同店は国道159号線を走っていると見かける。
もう一つの「ランチパック 豚みそそぼろ&マヨネーズ(とり野菜みそ使用)」はどこにあるのか…
誰か教えてほしいものだ。
県内にあるのかどうかも疑わしくなってきたけど、見つけたらまた食べたいと思う。