刑事ドラマなんかを見ていると証拠のために「指紋」を取ったりしているシーンがあるので、世の中には「指紋」というものがあるということを多くの人が知っていると思う。
けれど「足紋」(そくもん)というものもあるということを知っている人はどれくらいいるだろうか?
自分も、先日はじめて知った。しかも、その「足紋」というものを取ってもらった。
珠洲市の「ラポルトすず」で足紋を採っていた
10月14日に奥能登国際芸術祭2017に足を運んだ際、飯田町にある多目的ホール「ラポルトすず」にも立ち寄った。芸術祭のインフォメーションセンターが置かれているところだ。
そこでは同時に、翌日10月15日に開催された「第6回能登半島すずウルトラマラソン」の前日受付も行われていた。
ウルトラマラソンのポスター
ウルトラマラソンは60kmまたは100kmという長い距離を走るマラソンだ。
その受付にあわせ、「足紋採取会」というのも行われていた。
足紋採取会だ
これ、ウルトラマラソンに参加する人を対象に足紋を無料で取ってくれるという企画だ。こちらをトイレに行こうとした途中で見つけ、何だこれはとマジマジと眺めていると、受付の方に声をかけられた。そして何故かマラソンに参加しない自分もまた足紋を取ることになった。
こちらが足紋を取る台
この上に紙を敷いて片足ずつ取ってもらった。
足を乗せるだけで足紋のデータも取れて照合も出来るのだとか。電機メーカーの試作品らしい。
取っている様子
採取がサクサク進むものだから慌てて撮ったら写真が暗くなってしまった。
足紋採取はそれだけ簡単にできる。
取った
これが自分の足紋だ。
「ウルトラマラソン記念」と書かれてあるのでそれに参加しない自分としては後ろめたいものを感じてしまうが、こう賞状のようにして渡してもらえるとなんか嬉しい。
こうして見る肉球のようにも見えなくもない。
下の方には足紋普及協会という文字も見える。このような協会があるということもこのとき初めて知った。
取ってくれた方にどうして足紋なんかを取るようになったのか、そのきっかけについて訊ねてみた。
その方が言うには、東日本大震災にて身元がわからないご遺体が80くらいあったことがきっかけらしい。
なんでも、足紋もまた指紋と同じように「終生普遍」「万人不同」なんだとか。
これを取っておくことで、もし何かが起きたとき、たとえば認知症の方が行方不明になったときや、戦争が起きた時の身元確認に役立つ可能性があるという。
なら指紋でもいいじゃないかということにもなるけど、指紋だとどうしても犯罪者のイメージがあって敬遠されるらしい。足紋なら普段靴を履いているため犯罪捜査には使われにくいというのだ。
足紋の普及活動を行っているのは元警視庁捜査一課長(現在は退職)の光真章(みつざねあきら)さんという方なので、捜査に使われにくいというのも確かな情報だろう。
ちなみに光真さんは能登出身の方だ。昨年より、故郷であるこの珠洲市で足紋の採取会を実施しているのだそうだ。
いざというときの身元確認用に足紋をとるというのも悪くないと思うが、いかがだろうか。