初心の趣

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小松市の「どんどんまつり」に行ったらゴミ拾いをすることになった

石川県の小松市では10月7日、8日、小松駅周辺ならびに商店街にて「どんどんまつり」が行われていた。

8日の午前に足を運ぶと、何故かゴミ拾いをすることになったので、にぎわっていた祭りの様子とあわせて記事にしたい。

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小松市のどんどんまつりでゴミ拾いをしてみませんか?

どんどんまつりは小松の発展の契機となった前田利常公の遺徳を偲び、同時に小松市をどんどん発展させようとの願いを込めて行う秋の市民祭典だ。

今年(2017年)で42回目だ。

7日の夜には「あんどん行列」や盆踊りのような「どんどん小松輪踊り」も行われ、8日はマーケットやステージパフォーマンス、小松市中心商店街や駅前で同時開催されていた「歌舞伎市」(地元のお店が露店をだしていた)で賑わっていた。

自分は8日の午前中に足を運んだ。(8日は9時半~18時半までまつりが行われていた)

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どんどんまつりだ

小松駅の西口を出ると、その界隈がすべて祭りの会場のようになっていた。

この西口を出たすぐのところで「ゴミ拾いをしませんか?」と声をかけられた。

まつりにあわせ街の清掃活動も実施していて、その運動に参加しませんかと呼びかけられたのだ。

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こちらのゴミ袋とゴミ拾い用トングを差し出されながら声をかけられた

まつりの雰囲気だけでも味わいたく、また歌舞伎市でなにか掘り出し物(美味いもの)でも見つけられればと思って足を運んでいた自分としては、祭りに来てゴミ拾いをするなんてまったく想定していないことだ。でも、断る理由もないので受け取ったのだった。

ただの見物客より、小さなことでもいいのでまつりに参加出来る方が楽しそうであろう。

拾ってくるゴミはたった1つでもいいとも言われたので気も楽だった。

というわけで、このゴミ袋とトングを持ちながら、どんどんまつり、特に歌舞伎市を見て回ったのだった。

以下、その様子も簡単に紹介したい。

 

賑わう歌舞伎市の様子

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駅前の通りでは露店が並んでいた

とりあえず、あっちでもそっちでも広場や通りで露店を見かけた。

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商店街でもこのとおり

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こっちの商店街でも

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あっちの商店街でもこのとおり

小松駅の西口には「三の市朱門通り」や「八の市曳山通り」「猫橋飴屋通り」といった商店街がある。

商店街のお店の人が店前で祭りに合わせた商品(セール品など含む)を売っていたり、飲食物を販売していたりしていた。木彫りの手作りおもちゃの販売もあれば、マッサージや美顔エステを路上で(もちろんマットを敷いたりテントを張ったりして)やっていたところもあった。

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お茶会も路上で

ほかにも商店街の境目ではステージコーナーも設けられており、そこでいろんなパフォーマンスも行われていた。

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午前中にはチーム「粟津おすえべ花吹雪」によるYOSAKOIソーラン

小松を代表するチームだ。動きがキレッキレだった。メンバーの中には外人さんもいた。

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その後にはカポエラカポエイラ)の演舞も

「gueto capoeira&BARRAVENTO金沢」によるパフォーマンスと案内板には書かれてあった。

カポエイラってブラジルの奴隷たちの格闘技っていわれているが、バチバチに蹴り合う格闘技というより、音楽とダンスが融合している演舞のようなイメージだ。ユネスコによって無形文化遺産に登録もされているから面白い。

日本ではあまり馴染みがないけど、石川県でもカポエイラを習えるところがあるというから驚きだ。正直、自分はそのことをこのとき初めて知った。

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市民公園ステージでもパフォーマンスが

このときはチアリーディングのパフォーマンスが行われていた。

ステージは商店街の中やこの公園以外にもストリートでも設けられており、あちこちでライブ等が行われていた。

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「猫の御坊」の通りではストリートライブも

あちこちでやっているものだからどこも賑やかだ。

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また、駅前の道路では人力車体験も

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こんな感じで試乗できる

しかも無料。これ、体験してみたかったけど、人気があって結構並んでいたため、時間の都合で自分は諦めることにした。

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「ふわふわカブッキー」も発見

丸太早切り競争が行われていた大倉岳高原まつりにもいた「ふわふわカブッキー」だ。でも、大倉岳高原まつりで見かけたものとはまたデザインが違う「ふわふわカブッキー」だった。何体あって、何種類のデザインがあるのだろうか?

大倉岳高原まつりの記事はこちら

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動くカブッキーもいた

さすが小松市のアイドルマスコット、人気がある。なんでも石川県内のマスコットキャラ人気ランクでも一位らしい。石川県には県が擁する観光PRマスコット「ひゃくまんさん」もいるんだけど、それも抑えて小松市のこのカブッキーが一番人気なのだとか。まあ、活躍してきた年季も違うしね。こうしてみると、カワイイしね。

 

小松商業高校の生徒による物販もあった

歌舞伎市では学園コーナーというのも設けられていて、小松商業高校の生徒たちや小松短期大学の学生さんたちによる出店もあった。

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学園コーナーは朱門通り入口前あたりにあった

小松短期大学では焼鳥の販売やコンセントタップの工作体験(無料)、小松商業高校では学園祭のような飲食物の販売をしてブースの裏では餅もついていた。

また、小松商業高校の生徒たちは自分たちによる出店だけではなく、商店街のお店の前でその店の商品(限定品など)の販売の手伝いもしていた。

そういう体験も商いを学ぶ上で必要なのだろう。

その手伝いをしている一軒のお店で、生徒の一人とものすごく目があった瞬間があった。

いや、目があったというより、ニコニコの笑顔と目で「買ってくれ」と強烈に訴えていたと言った方がいい。

その目につられて店の前で足を止めてしまった。

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そして一つ買ってしまった

その子オススメがこちらの「かぼちゃパイ」。ハロウィン仕様だ。

買ってしまった自分が言うのも何だが、こういうのもマーケティングの行動心理学というものではないだろうかと、ふと思った。

実は自分、商店街のお店を見て回りながら、お店の人の目の動きを見ていた。「いらっしゃい、〇〇ありますよ~」という店員さんはいるけど、ガッツリとこちらの目を見てそう言っている人はあまりいなかった。まあ、お客さんの数も多かったので、自分ひとりをターゲットにして見つめながら訴えるなんてことは普通しないし、出来ないものなので、それで当然なのだが、その小松商の生徒はすんごくこちらを見て「〇〇ありますよー」と訴えてきていたのだった。

ああいうことをされるとね、人情からか足を止めてしまうもので、実際こうして買ってしまったのだから、何かしらの行動心理が働いていると思えてくるのだ。

笑顔や目で訴えるって販売では結構大事なのだろう。やりすぎてもダメなときはあるけれど、ないよりは全然マシだ。

買ったついでにこうして写真も撮らせてもらった。

その子、宣伝してもらえるって喜んでいたが、こうして後になって記事としてまとめているので、当日の売上に貢献できなくて申し訳ない。

代わりにその「かぼちゃパイ」を作っていたお店の紹介をすることで埋め合わせとしたい。

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御朱印」というお店だった

曳山通りの入口付近にある和菓子屋さんだ。「御朱印」という店名と同じ商品名のチョコレート饅頭で知られるお店のようだ。

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かぼちゃパイ、食べた

かぼちゃの甘味にマーガリンの風味が利いたパイだ。子供の頃、こういう味に憧れた。大人より子供が好きそうな味かもしれない。

美味かったです。

 

ちゃんとゴミ拾いもした

まつりの様子、歌舞伎市の紹介ばかりで忘れられていたかもしれないが、ちゃんとゴミ拾いもしている。

といっても、小松の駅周辺、特に自分がまわっていた商店街の方では目立ったゴミはほとんどなかった。

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タバコの吸殻や

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紙くずや

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袋の切れ端

といったところだろうか。吸い殻は何本か拾ったが、あとはつい落としてしまったような小さなものばかりだった。

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町中にはこのようにゴミ箱も

このように分別もしっかりのゴミ箱があちこちに設置されていたので食べたものをポイ捨てしたようなゴミは、自分が見た限りではなかった。

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ストリートステージでもゴミステーションについて説明していた

自分の他にも袋とトングを持ってまつりを楽しんでいる人が何人もいたし、まつりにやってきているお客さんたちのゴミに対する意識は高かったようだ。

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拾ったゴミはこちらに

小松駅西口を出た正面にこちらのブースがあった。

声をかけられゴミ袋とトングを渡されたのもこの付近であった。

小さなゴミばかりで自分の袋の中身はスカスカだったが、中には大きなゴミをいくつも回収していた人もいた。どの分野でも猛者はいるものだ。

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景品を貰った

集めたゴミをブースにて分別し終えると景品としてタオルをもらった。

ゴミひとつでも拾ってくればくれると言っていたので気前がいい。

こういうのもらうと、今後路上でゴミを捨てるなんて真似はしたくなくなる(いまもしないけど)。

これもまた人の心理に基づいたサービスなのだろうかと、行動心理学と重ねたくなるのだった。

 

感想

以上、小松の市民祭典に行ってゴミ拾いをした話だ。

ゴミを拾いながらまつりも楽しんでいると、いろいろと人間の心理も考えさせられて、帰り際は奇妙な心地であった。でも、どこか清々しくもあった。

自分は小松市民ではないので、部外者のただの客のような気持ちがあったけれど、こうしてゴミ拾いでも参加できたことで町の仲間になれた気もしていたのだ。

もし本当に今後も町を発展させるのなら、人の力というものを集めていかなければならないだろう。こうして小さなことでも参加させ、仲間意識を少しでも持たせる活動は理にかなっているように思えた。

考えてみると、露店にしろ、学生たちの出店にしろ、ステージパフォーマンスにしろ、それらもすべて「参加」だ。

まつりというものがなんでこうも毎年のように行われ、長い年月引き継がれているのか、少し見えてきたような気もした。

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カブッキーって小松における「仲間」という意識の象徴だったりして

さすがに考えすぎだろうか?

滞在時間は短かったけど、そう考えたくなるくらい充実できたということだ。

ゴミ拾い、悪くない。