初心の趣

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「ビーサン飛ばし世界選手権 in 金沢」を見に行ったら楽しそうだった

金沢市の金石海岸では8月の終わり頃にビーサン協会認定の「ビーサン飛ばし世界選手権 in 金沢」というものを近年毎年催しているそうだ。

先日、8月27日(日)の午前中に2017年度の大会が行われていた。

ビーチサンダルを飛ばすなんて小学生時代に馬鹿みたいにやっていたことだ。

そんな童心に帰れる競技と言うか遊びの世界選手権があったなんて、しかもそれが地元の金沢で行われていたなんて、自分は金沢市民でありながらまったくもって知らなかった。

しかもこれ、誰でも参加できるそうだ。年齢制限一切なし。

こんな楽しそうなのやってみたい!参加してみたい!と俄に参戦欲が膨らんだ自分であるが、こんな選手権があるなんて初めて知ったのは大会の前日であった。(夜中だったので正確には当日だったかもしれない)

もちろん、参加応募も締め切られていた。

大会は3人一組のチーム制(各チーム必ず女性を1人は入れなければならない)で、金沢の大会では80組240名を定員としていたようだ。

残念ながら参加はできない…それでも一度見てみたい。

ということで、当日ギャラリーとして足を運んできたので、ギャラリー目線でその大会の様子の一部を紹介したいと思う。

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11時頃に海岸に到着

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金石(かないわ)海岸へ

自分が金石海岸に到着したのは午前の11時頃だった。

もう大会も後半に入っていた頃だ。

このビーサン飛ばし世界選手権 in 金沢という大会、当日の受付開始が朝の7時からだ。7時半からは競技の前にみんなで海岸の清掃から始めるという。

というのも、この大会の主催が「クリーン・ビーチいしかわ実行委員会」であり、その活動の一つとしてこのようにビーサン飛ばしの世界選手権を催しているのだ。

本来、たとえ自分のようなお客でもこの清掃から参加しなければならないところだったのだ。

その清掃活動に参加出来ていなかったのだから、正直、ギャラリーとして見にいってよかったのか、カメラを構えてシャッターを切ってしまって良かったのか、何度か悩んだ。

ギャラリーとして見に行こうかと決めるときも悩み、悩んで出発が遅れて到着したのがこんな時間になってしまったのだ。本当のところ、当日の朝まで今年は諦めようと行かないつもりでいたのだが、後悔したくないなと思い、思い切って現地に向かっていたのだった。

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大会の真っ最中だった

アナウンスで「決勝」だったか「決勝ラウンド」といった声がしていた。

とりあえず邪魔にならないように離れた所から見ていた。

自分の隣に、同じようにギャラリーに来ていた60歳くらいの夫婦がいたことが自分にとっては精神的に救われた。

現場に参加者しかいなかったら、ギャラリーが自分だけだったらかなりの疎外感があるだろうなと、チラッと思ってしまっていたのだ。

そのご夫婦は見学しながら「来年は参加してみようかな」といった話をしていた。

その気持ち、ものすごくわかる。仲間だ。

そう思ってしまうほど、ビーサン飛ばしに参加している人たちが、無茶苦茶たのしそうだった。年配の方や、ちっちゃいお子さんまで、まるで無邪気にビーサンを飛ばしていたのだ。

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見て下さい、この飛翔

気持ちよさそうだ。

 

でも、ちゃんとルールある

大きな放物線を描き、気持ちよく遠くに飛ばしてナンボであるかもしれないが、そこは大会、しかも世界選手権なので一応ルールがある。

サンダルの規格は当然統一されている。公式サンダルというのがあるのだ。

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参加者には貸し出されるようだ

でも、無断で持っていくのはダメらしい。当たり前か。

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助走は好きなだけOK

ただし、キックラインを超えるとファールになるようだ。

サンダルを飛ばした後でもはみ出してはいけないようだ。

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これならOK

他にも縦にもラインが引かれていて、飛ばしたサンダルがそのいわゆる「サイドライン」をはみ出してしまってもファールとなるようだ。

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待機テントにルールが貼られてあった

このサイドラインというのが曲者で、どれだけ距離を稼いでも横5メートルのレーン(コート)内にサンダルが着砂しなければ記録にならないようなのだ。

サンダルも軽く、距離を稼ごうと高く飛ばしすぎると風に流されたり、変な回転がかかってしまってあらぬ方向に飛んでいってしまったりと決して簡単ではないようだった。

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レーンの中に落ちると計測される

団体戦は3人一組(必ず女性を1人入れる)で、1人一回ずつ飛ばして合計の飛距離で競う。一人のファールが成績に大きく影響することもあるので難しい。

チームによっては安全第一でキック(ビーサン飛ばし)していたところもあったようだ。

まあ、それでも伸るか反るか乾坤一擲の全力キックをして失敗しても楽しんでいる人たちも少なくなかった。(自分も参加していたらきっとこの博打タイプだったと思う)

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この全力プレイがカッコイイ&気持ちよさそうだった

ちなみに公認最高記録(8月27日の段階)は10歳以上の「大人男子の部」で33.13m、「大人女子の部」(同じく10歳以上)では20.69m、9歳以下(日本では小学4年生以下)の「子供の部」で18.53mとなっている。団体記録では50.71mだそうだ。

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コートのエンドは35m

最高記録が33.13mだからか、公式ルールでも、横5メートル、その両端から縦35メートルの2本のラインを引くとある。

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コートの全体図

こうしてみると端までなかなか遠い。

33メートルを超える大キックは、さすがになかなかお目にかかれない。

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コート外で練習する方

会場ではA、B、Cと3つのコートに分かれていた。出番待ちの人はテントの下で待機しているか、こうやってコートの外で自主練をしていた。

なお、キックの順番が回ってきてもコートに現れない場合、失格になることもあるので注意が必要だ。

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トンビは天敵

また、おもしろいことに、トンビ等にビーサンを持って行かれてもファールになるという公式ルールもあった。

そんなことあるのだろうか? あるんだろう。

 

会場風景

参加者ではない自分は競技の感想を語れないので、以下、会場風景の写真を並べていくことにする。

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会場にはフード&ドリンクコーナーもある

風のある日であったが、暑くてドリンクがなければやっていられないだろう。

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風にも負けずずっと旗にへばりついてたセミ

突風が吹いても逃げていかず、ずっと耐えていた。

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給水車もいた

この車の側には簡易の水道や簡易トイレも設置されていた。

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携帯電話の落とし物も

会場にて落とし物があったが、速やかにかつ和気藹々と報告されて、すぐに持ち主が見つかっていた。

一体感というか、朝から海浜の清掃を一緒にしていたからこその信頼関係のようなものがこの会場にはあった。ギャラリーだけをしに来ていた自分としてはそのあたりが眩しかった。

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「クリーン・ビーチいしかわ」のこのシャツもCOOLだ

信頼の証みたいだった。

どの子たちがそうなのか自分にはわからなかったが、地元・星稜大学のサークルの人たちも手伝いに来ていたそうだ。

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飛行機雲も見えた

風はあったが天気のいい日だった。

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すべての競技が終わり、ラインの片付けを

競技者すべてのキックが終了し、表彰式までにラインの片付けをしていた。

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片付けも終わって、集計の間にビーチに駆け出す若人たち

学生さんだろうか、青春を謳歌しているみたいで楽しそうだった。

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集計中、ビーサン協会会長のトーク

ビーサン協会会長の“ビーサンがんちゃん”こと岩井信之さんと、エフエム石川のパーソナリティで石川テレビの情報番組でも活躍している的場絢香さんのトークを生で聞けた。

お二人は競技中も実況や解説、進行で会場を盛り上げていた。

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そして表彰式(邪魔にならないよう遠くから撮る)

団体表彰、個人表彰(男性、女性、子供の部)があり、上位の方には「もりもり寿司」の商品券もプレゼントされていた。

団体と個人両方で表彰されていた方は併せて数万円分の商品券をゲットしていた。

子供の部では表彰中に寝てしまっていた1歳ぐらいのお子様もいた。

そんな小さな子供でも参加できるのだ。

また「おそろいスタイル賞」というものもあり、ビーサン飛ばしの成績に関係なくメンバーのコスチュームを揃えて参加したチームにはそのおそろいスタイルを表彰してもらえるチャンスもある。

マラソンもコスプレしながら走る学生時代の友人ならきっと被り物だろうな…。

そんなことも想像して、ますます参加したくなっていた。

 

感想

競技にも参加せず、大会前の海浜清掃にも参加していないただのギャラリーでしかなかった自分がこんなブログ記事を書くこと自体、出過ぎた真似なのかもしれないが、見学していて、楽しそうな参加者の皆さんを見ていて、自分もやってみたかったという気持ちがますます膨らんだので、こうして記すことにした。

改めていうが、むちゃくちゃ楽しそうだった。

老若男女誰でも気楽に参加できて、ただ脚力がある人が強いわけでもなくて、全力プレイで失敗しても笑いに変えてくれて… と、楽しくないわけがない。さらにはボランティアもあり。こんな思い出になることもないだろう。

ただ、一番印象的だったのは、団体で優勝して個人女子の部でも1位になっていた方が「今日は掃除をしに来ました」と無欲だったところだ。

その方からすると、このビーサン飛ばしもビーチをキレイにするという活動のきっかけでしかないのかもしれない。

いや、おそらく掃除したからこそ樂しいのではないだろうか。

その辺をわからず楽しそうだったという見た目の理由で記事を書いている自分としては恥ずかしくなってしまう話だ。

やはりビーチの掃除から始めなければならない。

この記事の分は、またいつか、ビーチや河川等でゴミを見つけた時に見過ごさずに拾うということで埋め合わせしたい。

そして来年も行われるなら、ビーチ清掃からこのビーサン飛ばしに参加したいものだ。

翌日の新聞を読む限り、参加チームが80組未満だったので、期日までに応募していればチャンスもあったのだ。

来年こそはそのチャンスをゲットしたい。チャンスなくても掃除には参加したい。

そう思った今回のギャラリーだった。

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来年こそ飛ばしたい

参加できるなら、その時は誰と組もうかな?