輪島市の門前ではJAFによる全国ダートトライアル選手権が毎年行われているのをご存知だろうか。
「ダートスプリント in 門前」という大会だ。
2017年は全国選手権の第6戦目がこの門前にて行われた。
さらに今年で20周年だそうで、それを記念して本戦の前日には「オートテスト」という一般人も無料で参加できる(ただし、事前に要申し込み、人数制限あり)ダート会場におけるスピード競技が行われていた。
自分はなにげにクルマ好きだ。レースを見るのも好きだ。
そのオートテストを見に行ってきたので、紹介したい。
会場は「モータースポーツ公園」
石川県民にもあまり知られていないが、門前にはラリーの大会を開ける「輪島市門前モータースポーツ公園」というものがある。
門前町の「道下」(どうげ)というところの山にある。
道下交差点だ
この交差点を、写真で言えば左折し、橋を渡っていくと会場へ行ける入口がある。
会場に行けるというか、正確には山を車で登っていく峠道(舗装されている)の入口がある。
こちらがその橋
「ダートスプリント in 門前」の横断幕もあった。
写真からもわかるようにその奥は山だ。
自分は参加者ではなく見学客なので、近くの公民館みたいなところからシャトルバスに乗って会場へと向かった。
バスに乗っていると、自分が運転しているわけでもないのに峠道の勾配やカーブのきつさがよくわかった。
ダート会場に着く前から走り屋心をくすぐるような道路だった。
本音を言えば自分の運転で通ってみたかったが、会場の駐車場に限りがあるので、交通規制が敷かれていて通れなかったのだ。
もう一つ本音を言うと、自分も「オートテスト」に参加してみたかった。このような一般人が参加できる競技があるんだとわかったのが、応募締切日の後だったので諦めたのだった。
なお、時間の都合上、ダート選手権の本番の前日にしか会場に足を運んでいない。
レーサーが走る本戦ではなく一般人が走る「オートテスト」を見にこのモータースポーツ公園へやって来たのである。
プロやセミプロによる本戦の様子を写真で見たかった方は、ご容赦いただきたい。
公開練習が行われていた
オートテストが行われたのは7月29日の土曜日だ。翌日の日曜日にダートスプリント本番が始まる。
そのため、土曜日には公開練習も行われていた。
自分が到着したときにはその公開練習の最中であったので、プロやセミプロによるダートドライビングを目にすることが出来た。
勢い良く疾走
まず爆音がすごい。
ラリー車によく積まれているミスファイヤリングシステムなのかマフラーから「パンッ!パンッ!」と銃声みたいな音がする。
コーナーではドリフトしていた
すごい勢いでケツを流しながら曲がっていた。
練習とは言えタイムをちゃんと測ってのランだ。
全部が全部というわけではないだろうが攻めるところはしっかり攻めていたのではないだろうか。
練習とは言え迫力があるのだ
ギャラリーポイントで砂煙だ。
ダートだからドリフトすると砂が舞う。
これが風に乗ると見ている側も大変だ。
大変なことに
ギャラリーがいる丘の上の方まで濃霧のように舞い上がってくるのだ。
服も靴もすぐに白くなる。防塵とは言えカメラが壊れないか心配してしまうくらいの舞いっぷりだった。
丘の上にはフードブースもあった
焼きサザエといった海の幸も売られていたので、輪島らしさがあった。
パドックもあった
こちら、普通に入っていけた。
マシンをチェックしたり水で洗っていたりするメカニックや、ミニバイクに乗って移動しているドライバーや関係者なども見ることが出来た。
車が何台も停まっている
これらはすべてレース用の車だ。
4WDもあればFRもいた。アバルトの「500」もいたけど、あれ、FFなんじゃなかろうか。
オートテストの準備が開始
オートテストの準備が始まる
公開練習が終わると、コースの一部でパイロンコーンが立てられ始めた。
一部とは言え、一般人が参加するオートテストも実際のダートレースに使われるコース上で行われるのだ。
車の準備も始まる
使用する車は、マイカーを持ち込むこともできればレンタルすることもできる。
レンタルしたとしてもおそらくお金がかからない。ただし、その場合はかき回し(マニュアル車)に乗りたいとか、トルコン(オートマ車)に乗りたいとか選べないらしい。
参加資格は「自動車運転免許証」を保持だ。免許があれば誰でも参加できるのだ。
また、準備を見ていると車のサイドにゼッケン番号を次々貼っていた。
同じ車を何人も使うようだ。ということはレンタルなのだろう。
出走するクルマは計3台
クルマは写っている3台だった。
一台は軽トラ、もう2台も軽自動車なのだから、なかなか愉快な競技だ。
なお、後方のバンタイプの1台はゼッケンが一つしか着けられていなかった。おそらくその人だけは自分のクルマを持ち込んだのではないだろうか。
参加者による記念撮影も行われていた
16人が参加する。
若い人ばかりではなく、中には女性もいた。
応募用紙の定員には20名と書かれてあったので、期日に間に合っていれば自分も参加できただろう。
悔やまれる。
走行する前にコースをチェック
きまったコースを走ってスタートから戻ってくるまでのタイムを競う。
コーンは倒せないし、もちろんコースアウトもペナルティになるので、どこを走るかちゃんと頭に入れておかないといけない。
なお、途中に「車庫入れ」というアクションも行わう。ただ突っ走ればいいわけではない競技なのだ。
コースの図
写っていないが、左端の方にスタート地点がある。そこから発進して、再びそこに戻ることになる。
どういう道筋で進んでいくか矢印で示してみた
青の矢印から始まり、右端のコーンの間を抜けてオレンジの矢印どおりに戻り、駐車場みたいな枠の中へバックで入って一旦停車、そして赤の矢印の順にスタート地点へ戻っていくことでゴールだ。
自分でもわかりづらい図だと思うけど、なんとなくでも道順のイメージを掴めてもらえれば幸いだ。
オートテスト、競技始まる
最初は軽トラがスタート
ゼッケンナンバー1番の人から乗っていく。
この軽トラ、FR車でしたね。
FRでも関係なく飛ばしていく
スタートから最初のコーンまで少し距離がある。
いきなり狭い所を左にターン
続いて右にターン
FRでケツも振りやすいから砂煙も上がっている。
おかげでどこを走ったのかわかりやすい。
再び狭いところで旋回
このコーンの周り、砂利が深いのかトルクが足りなくて曲がりづらそうだった。
再び戻ってくる
ここでコースをショートカットしてしまう人が何人かいた。
見ているとラクそうだけど、やると難しいようだ。
駐車スペースにはバックで入れなければならない
ここでも車輪を砂利によくとられていた。ほとんど減速してから曲げるって見た目以上に難しいようだ。
ハンドルを切るのも一苦労だ。
もちろんコーンも倒せない。
しっかり停車させる必要あり
駐車場ではきちんと一旦停車させないといけない。
ほとんど止まらずに発進するとペナルティになる。(5ポイントのペナルティ)
ふたたび狭いコーナーへ
戻りの時は目の前に崖が壁となってあるから運転席目線だと余計に狭く感じるはずだ。
スタート地点に戻ってきてゴール
最初の人は一度のミスもなく、しかも走りが豪快で速かった。
レベル高いなぁと思っていたけど、全員が全員、ミスなく走れるわけではない。
コーンを倒してしまう人も当然いる
倒したりすると5ポイントのペナルティだ。
なおす係員のかた
黄色の旗が振られている。
黄色は、コース上に危険なものが転がっていると知らせるフラッグらしい。
コースを間違える人もいる
運転していると、道順が頭から抜けることはよくあることだ。
自分は迷子常習犯なので、気持ちはわかる。
黒旗を上げられますが
黒旗は規則違反を知らせるフラッグのようだ。
サーキットレースとかだと3周以内にピットに入らなければならない。
この競技では5ポイントのペナルティ、ひどいものなら30ポイントのペナルティとなる。
軽の5ドアも発進
こちらはFFだろう。
FRよりも曲がりにくそうだった。
コースを間違えるくらい曲がりづらい
FFは基本的にアンダーステア(曲がる時に外側に膨らんでいく現象)だけど、ダートだと余計にその性格が出てた気がする。
曲がりづらそうだ
狭いところや砂利が深いところが特に。
壁に接近しちゃうと、バックで向きを変え直さないといけない、つまり切り返しとなる場合がある。
かなりのタイムロスだ。
ゼッケンが1つしかついていなかったバンも発進
おそらくレンタルではなく、ドライバーの方が持ち込んだ車だと思われる。
会場用に実況中継していた声によればホイールベースが長い車だ。
そのためかさらに曲がりづらそうだった。
この建物から実況していた
上からだと見やすそうだ。
「狭いところにハマってしまったー!」というフレーズが一番印象的だった。
狭いところにハマってしまっていた…
しかも、崖付近の狭いところで壁ドンをしてしまっていた。
側面をぶつけてしまったのだ。
ちょっと痛々しい姿に
おそらくレンタルではなく自分の車なんだよなぁと思うと、こちらまで気持ちがほんのりブルーになった。
競技なのでこういうこともあるのだ。
こちらはタイム計測器だろうか
競技はタイムで順位が決まる。
ペナルティがあれば1ポイント1秒で加算されていく。
一人2回走ることができ、2回めでタイムを縮めてくる人が何人もいた。
だいたい一周40数秒くらいで走っていた。
速い人だと36秒台だった。
軽さもあるかもしれないけど、FFよりもFRのほうがタイムは良い。そのFFでも39秒台と40秒を切る人がいた。レンタル車なのにだ。これにはアナウンスの方も驚いていた。
感想
おそらくマイカーだと思われる車両を凹ませてしまうアクシデントもあったけど、皆さん和気あいあいと競技を楽しんでいたのが印象的だった。
おそらく同じ団体から何人も出ていて顔見知りなのだろうと思われるけど、あの町内の運動会に参加しているような朗らかな雰囲気は羨ましかった。
ちなみにこの競技、成績認定されると国内Bライセンスを取得できるそうだ。(別途30日以内に申請が必要)
つくづく自分も出ればよかった… 久しぶりの後悔だ。
何にせよ、ガチで挑んでも良し、エンジョイ勢として楽しみに来ても良しのこの競技、見ていても面白かった。
最後に、そんな観客たちの背中の写真を並べてみる。
なんだか
カッコ
イイ
なんだか無駄にカッコよかったので並べてみた。
ダートスプリントの本番を撮らず、前日の一般人が参加する競技を撮った上に〆はそれを見ていた人たち(おそらく参加していた人たちの仲間)の背中の写真…
我ながら変なことしたなと思うけど、それくらい気楽に楽しめるイベントであったとわかっていただければそれで良いとしたい。
ガチンコのレースも好きだけど、こういう気楽でマイナーなイベントも好きなんです。
20周年記年のイベントだったけど、自分も出てみたいのでできれば来年も行ってほしい。
そう思う人が、この記事を見て他にも出てくれれば、満足だ。