前回、石川県立航空プラザで展示されている飛行機類が、その機体表面で命令してくることを伝えたが、改めてその県立航空プラザについて紹介したい。
航空プラザの紹介
まずは、コクピットにも乗り込めるヘリが置いてあった庭から建物の中へと入るその手前でこんなものがある。
EVチャージだ
電気自動車に電気を供給するステーションだ。
小松市は電気で動くEVバスを運行させていたりするくらい、エコに力を入れているのである。
こんなところにもカブッキーがいるなと思ったら、建物の玄関にも、
いる
ウェルカムカブッキーだ。
その玄関を抜けると、ホールにまた飛行機が展示されている。
ピッツS-2B(ピッツスペシャル)
そう書かれてあった。
原型機の設計はアメリカのカーチス・ピッツ氏だそうだ。
飛行機についてほとんど知識がない自分は、カーチスという名を目にしてジブリの「紅の豚」を思い出した。
飛空艇だしね。
この写真の奥の方に売店があり、その売店もすぎると小松空港で働く人たちの仕事内容を紹介するエリアにたどり着く。
わかりやすいもので言えば「客室乗務員」の仕事だろうか
このようにパネル等を使って紹介してくれるのだ。
個人的には、機内食が気になった。
飛行機には数えるくらいしか乗ったことがない自分。
機内食も未体験だ。
こんな感じなのかと新鮮だった。
もちろん、客室乗務員の他の仕事の紹介もある。
パイロット、整備士、グランドスタッフ、税関や入国審査、航空管制官やケータリング会社のスタッフなどなど、空港を支える仕事が展示やパネルで、子どもたちでもわかりやすく説明されているのだ。
他にはこんなものも
男子だったら、こっちに惹かれるだろう。
ジオラマもあった
もっと航空っぽい画になるように撮ればいいものを、それでは普通すぎると林ばっかり撮ってしまった画がこちらだ。
このジオラマ、AR技術を活かして航空機の発着シーンをCGで再現してくれるらしい。
タブレット等できるらしいが、自分はタブレットを持っていない。
ほかにこんなゆるキャラも見つけた
こちら、小松空港のゆるキャラだ。名前は「こまQ」というらしい。
小松市はカブッキーだけじゃないようだ。
小松空港の九谷焼ガチャ第二弾の紹介をした際、そのとき今後のマーケ戦略の一つとして限定商品戦略を提示し、この航空プラザでも限定九谷焼ガチャが置けないだろうかと考えてみたが、「こまQ」なんてキャラが居るのなら、可能性がないわけでもないように思えてきた。
「こまQ]の九谷焼箸置きだ! …いや、こまQ、アクションが少なそうなのでやっぱり無理か…
さて、さらに進むと実機展示場にたどり着く。
そこには大きな遊具なども置かれており、子どもたちが遊べるようにもなっていた。
飛行機型大型遊具「飛ぶぅーん」だ
この写真では分かり辛いが、この遊具、飛行機の形をしている。
ほかにもこんな託児所のような遊び場も
天井にも飛行機が展示されている
子供が楽しみやすい施設だ。
この建物、二階もある。
そこもまた展示場になっていて、珍しいものも置かれている。
二階で一番印象に残ったのはこちらだ。
玉虫型飛行器(復元模型)だ
こちら、日本初の人力機の模型飛行機だ。
明治26年(1893年)に二宮忠八(にのみやちゅうはち)というひとが、玉虫にヒントを得て製作、完成させた。
世界で初めて有人飛行を果たしたのはアメリカのライト兄弟だが、その兄弟よりも先に有人飛行に着想していたことになる。
軍隊にいた二宮忠八は飛行機の実用性を感じて何度も上官に上申していたそうだが却下され続けていたそうだ。
もし、その上申書が受理されていたら、ライト兄弟より先に人類初の有人飛行を達成していたかもしれなかった。
その運転席(コクピット)の様子
足こぎペダルによって4枚羽のプロペラと車輪を駆動させる仕組みだったらしい。
舵は、固定翼の下に取り付けられた可変翼でとるそうだ。
作りが古くても、こういうのを見せられると乗ってみたくなる。
航空プラザにはフライトシミュレーターがある
実は、この県立航空プラザにはフライトシミュレーターがある。
しかも、全日空で実際に使われていたという本物のYS-11A型のシミュレーターがあるのだ。
何機も飛行機を見て回って何でもいいから乗ってみたくなっていたので、乗ることにした。
こちら搭乗整理券
航空プラザは基本無料なのだが、フライトシミュレーターだけ有料だ。
こちらで500円する。
建物に入ってすぐのインフォメーションで受け付けてもらえる。
混んでいるときは待たされる。自分が行ったときは前にお客さんがいなかったのですぐに使わせてもらえた。
これがそのホンモノのYS-11A型フライトシミュレーター
外見はいかにもシミュレーターっぽい作りだ。
案内をしてくれる職員の人(定年間際か過ぎくらいの男の人)がいて、その人に従いながら右側の階段を使って入っていく。
そして入ってみると、やはり狭かった。
カメラ鞄を抱えて、カメラも首から下げている身だと、シートに座るのも一苦労だった。
計器類がいっぱいだ。
操縦輪もある。
スロットルレバーだ
これを操作してエンジンの出力をコントロールする。
案内の人が次々説明していく
機長のシート(左側)に腰を下ろすと、右の副機長席に案内の方が座り、それら計器類や操縦輪の説明を次々としてくれるのだが、飛行機の知識が0に等しい自分には、半分くらい何を言っているのかわからなかった。
自分にできることと言えば車の運転に置き換えてイメージすることぐらいで、そうして車と飛行機では操縦の仕方がぜんぜん違うことを思い知って笑うしかなかった。
ハンドルのような操縦輪は回して機体のロールが始まり、手前に起こしたり奥に倒したりで機体が上下する(ピッチングする)。
車で言うところのヨーイング(横旋回)は何で行うかと言えば、左右のフットペダルで行うのだ。しかもそのフットペダルが踏み方によってブレーキにもなるので、慣れない自分の頭の中はこんがらがっていた。
このように教えてくれます
スロットルレバーの入れ方なども教えてもらえた。
いろいろとコツがあった。
案内の方は慣れた手つきでパッパッパッとセットしていく。
すげぇなと思いながらレクチャーを聞いていたが、それもそのはず、案内の方、名前を「吉永さん」というのだが、昔は戦闘機乗りだったそうだ。
大人しそうな喋り方をする方なので、その事実を知った時、失礼ながら自分は少し驚いた。人は雰囲気で判断してはいけないと思った。
タブレットでフライトがスタート
ひと通りコントロールの説明を受けて、すぐにフライトが始まった。
吉永さん、のんびりした口調でありながらサクサクっと進めていく。
はっきり言って、自分はまったく心の準備ができていなかった。
でも、言われるまま発進だ。
離陸する時のコツ、見た目以上にスピードが出ているため操縦輪を切りすぎるとすんごい方向に機体が傾いていくことなどを教わりながら、自分は旅客機を飛ばしていた。
いや、正確には副機長席でも操れるので、吉永さんがほとんど操ってくれていた。
旅客機なので操縦輪のロールは35°以内に設定されているらしい。
けど、自分がやるとすんごい角度で機体が傾いていた。おかげで設定ルートも外れていた。
空港上空を回ってきてなんとか着陸へ
着陸の仕方もちゃんと手順がある。
わかるわけもないので、ほとんど吉永さん頼みであった。
自分は、とりあえず写真を撮っていた。
自分が操ると変な方向に
離陸したときはフットペダルでヨーイングするとわかっていたのに、着陸する頃には忘れていた。
ブレーキを踏んでいるつもりが、曲がっていたのだった。
曲がっていたのに写真は撮ろうとするのだから呆れた操縦士だ。
吉永さんが修正してくれた
無事、止まった。
吉永さん、さまさまだ。
自分はここでも笑うしかなかった。
想像以上に難しく、想像以上に楽しかったのだ。
飛んでいた時間は約十数分くらいだろうか。全体的には20分くらいのフライトシミュレーター体験であった。
吉永さんが言うには、もともとは簡易のシミュレーターしかなかったらしく、それじゃ面白くないということで、本物のYS-11A型のシミュレーターを導入したのだそうだ。
館内の2階には簡易のシミュレーターも数台ある
簡易だが、F-15戦闘機の体験もできるシミュレーターもあった。
こちらも有料(100円くらい)だ。
吉永さん自身は七年前にこの航空プラザにやって来たという。むかし戦闘機乗りをやっていただけではなく、この施設の館長さんでもありました。
すごい人に教わっていたわけだ。
シミュレーターを体験し終えたあとになって気づいたが、YS-11A型のシミュレーターのすぐ手前に操縦の仕方が簡単に書かれてあった。
こんな感じ
とりあえず読んでから乗れよってことですな。
何にせよ、また乗りたい。
その時は、これを読んで予習してから体験してみたいものだ。
次こそは無事着陸してくれよう。
おまけ
帰り際、入り口でベビーカステラが売られていたので一つ買った。
ベビーカステラを食べるのは久しぶりだった
販売していたオジサンがいい人で、もう時間もあまりないからといくつかオマケしてくれた。
できたてなのでふわふわでした
初のフライトシミュレーターを体験して浮かれていた自分にはピッタリの食べ物であった。
これを食べながらシミュレーターでフライトしたら… 吉永さんに怒られるだろうな…