前回のブログ記事で九谷焼ガチャを求めて小松空港に行ってきたと書いたが、その小松空港の前には「石川県立航空プラザ」という施設もある。
飛行機の仕組みや歴史を教えてくれる飛行機にまつわる博物館のようなところだ。
空港でガチャを回したついでに、ふらっと立ち寄ってみた。
すると庭から飛行機が展示されていて、しかもその機体表面にいろいろと文字が書かれている。
気になったので、カメラで撮ってみた。
航空プラザだ
この写真に写っている機体は「富士KM-2 初等練習機」というものだそうだ。
建物の前の庭にもこのようにホンモノの機体が展示されている。
そして近寄ってみると、機体表面に何か書かれているのである。
「バッテリは右側後風防の下方にある」とある
さらに近寄ってみると、
「右前席背当てに消化器あり」とも
説明書に書かれてあるようなことが書かれている。
非常時だとか、パニックになりそうな時には確かに分かり易い。
分かり易いが、一般人の感覚からすると変だ。航空関連に疎い自分は軽いカルチャーショックを受けていたのだった。
よく見ると命令口調が多い
この庭にはもう一台、ヘリも展示されている。
対潜哨戒ヘリコプター HSS-2B(ちどり)だ
対潜哨戒とはわかりやすく言うと対潜水艦戦だ。ということでこちらは潜水艦戦を重視して設計されたヘリコプターだ。
テールに「海上自衛隊」と書かれてあるようにもともと海自の機体で、平成7年7月に除籍になったものだそうだ。
そしてやっぱり近寄ってみると、
機体表面に何か書かれている
注意とある。読んでみると、
「機体を洗うときは空気取入口に水をいれるな」とある。
ただ水を入れるなではなく、機体を洗うときと前置きがあるのだから、随分と具体的な注意書きだ。そして命令口調のような文言だ。
現役時代に、よほど上官を怒らせる失態を部下がしてしまったのだろうか?と、そんな邪推をしてしまう。
しかも、このような機体表面上の上から叱りつけるような文言はこれだけではない。こちらのヘリでは機体のあちこちに書かれてあった。
「機体を洗うときには排気口に水を入れるな」
排気口にも水を入れては駄目らしい。
さらにその上には、
「←非常脱出時ボタンを押してハンドルを回し窓を引き出せ」
とも書かれている。
やはり上官の姿が思い浮かんでしまいそうな命令口調だ。
「危険 近寄ルナ」だ
たしかにプロペラが回っているときなど、その付近にいたら危ないのはわかる。
命令口調だが、これはまだわかる。
「非常脱出時 ハンドルを回し↓窓を引き出せ」だ
やっぱり命令だ。
こちらも、非常脱出時であると考えると、これくらい命令口調のほうが何も考えずに従えそうな気もしないでもない。
でも、これはどうだ。
「さわるな」
「押すな」
ここまでくると、もう子供を鬱陶しがる親父みたいに聞こえてくる。
ちなみにこのヘリコプター、中に入ることもできる。
その入口もこんな調子だ
消えかかって文章を読めないが、
「ドアー開閉時に〇〇〇〇動かせ」
と、最後はやっぱり命令口調であることがわかる。
消えかかっても、いさどい(石川の方言で「えらそう」)。
ここまでくると、逆にちょっと感心してしまう。
筋金入りの上官目線、命令口調というものだ。
中はこんな感じだ
天井が低く、決して広くはない。
中でもこの調子だ
「非常脱出窓 非常脱出時押せ」と命令だ。
外だけかと思ったら内弁慶でもあるようだ。
写真でもわかるように、機内はコクピットまでつながっている。
そして、そのコクピットも開放されていて、好きに座ることができた。
ただし、せまい。
カメラを首にぶら下げながら座ろうとすると、操縦桿やスイッチ類にレンズをぶつけそうになったので、カメラを片手で抱え込むようにしてガードしながら、カラダを捻るように座る必要があった。
その操縦桿
計器類に
天井にはスイッチ類も
シートに座りながらこれらを撮っているときも狭さで圧迫感があった。
これ多分、カラダが硬い人は座れないんじゃないだろうか?
そう思えるくらい狭い。
本当ならコクピットから見える外の景色を撮らなければならないのに、それを忘れるくらい狭すぎて早くここから抜け出したがっていた。
カメラを持っていなかったらもっとじっくり操縦席を楽しめたと思う。
その狭さを、この航空プラザ側もちゃんと警告していた。
シートの後ろにはこんなことも書かれていたのだ。
館長さんからのメッセージ
狭さや壊れやすさを注意しているが「です」「ます」口調だ。
最後は「しないでください」とお願いしている。
あれだけ機体表面でツンツンしていたのに、急に口調が優しくなっている。
これも一種のツンデレだろうかと思った。
航空プラザの中でも見つけた命令口調
建物の中にも入った。
建物の中は基本的に無料だ。
インフォメーション兼受付の前を通り過ぎて一階の奥の大部屋に行くと、そこでも飛行機の展示がなされていた。
このように展示されている
その一機一機を見て回っていると、やっぱり機体表面に例の命令口調がいくつか見られた。
その口調ばかりに気を取られて、その文言がなんという機体に書かれてあるのか記録を残すのを忘れてしまったので、ここからはもうコレクションのように、その命令口調の写真を羅列してみることにする。
「踏むな」
これは「T-33A ジェット練習機」に書かれてあった。(唯一これだけはメモしていた)
「手をはさむな」
ほかにも「風防を射出するには肘掛を上げよ」ともある。
こちらは「危険」の表示
「この航空機は火工品のついたES-7J型射出座席をとう載している。使用前に技術指令書を見よ。」
とある。
「見よ」とはなかなかカッコイイ。
説明書きが機体表面に施されている
「~せよ」がクールだ。
最後に、機体表面とは関係ないがこんなのもあった。
キケンだ
たしかにデンジャラスだが、その危うさに惹かれてしまうものもある。
なんだろうか、次第とこの命令されているかのような書かれ方に何か格好良さを感じてしまっている自分がいた。
実際に言われたら「あら恐ろしい」と思うところなのに、何かしらの魅力を感じてしまうのだ。
魅力を感じてしまって、これが「素敵」(ステキ)に見えた
正解は、「索敵」(サクテキ)だ。
断っておくが、自分はマゾ体質ではない。
むしろS気があると言われたことがあるので、感じてしまった魅力とやらも同族の共感みたいなものだろうと思う。
逆にマゾな方なら、これら見る者すべてに命令してくる機体に、うっとりしてしまっているかもしれない。
デートで異性とこの航空プラザにやって来て、相手が機体の文字にニヤニヤしているなら、その人はSかもしれない。
うっとりしていればMかもしれない。
無関心な方はノーマルな方だろう。
こんな感じで、性的傾向の一つの目安になるかもしれないと思うのだが、どうだろうか?
(ただし、子供連れが多いので会場内で露骨にこの話題で盛り上がることは控えたほうが良いとも思う)
何にせよ、自分の飛行機に対する見方が変わった。