初心の趣

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50周年の上寺津発電所の中を見学した

6月5日に末浄水場で行われていた水道フェスタについて、過去2回ブログを書いたが、この3回目が同フェスタについての最後となる。

のんびりとブログを更新していたせいで、あれから二週間以上経っているのだから、ようやく最後といったほうが正しいかもしれない。

その中身は、今回のフェスタ一番の目的であった上寺津発電所見学ツアーに参加できた話だ。

 

我々は末浄水場の門の傍でマイクロバスに乗せられ、現地に連れて行ってもらえた。

自分も含め、25人くらいは乗っていたと思う。

先の受付で自分と同様に定員オーバーで参加できず、一緒に末浄水場内の見学ツアーをまわったあのご老人の姿は、残念ながらなかった。さすがに待ちきれずに帰ってしまったのだろう。

 

バスは辰巳の方へと進んだ。ますます山道となり、そのうちクルマが一台通れるのがやっとの細い道となる。

片道15分くらいかかっただろうか。

 

途中、新辰巳発電所の近くを通る。ただし、発電所そのものは山の下の方にあり、見えるものといったら変電所くらいであった。

 

この区域には上寺津発電所と新辰巳発電所の他に、同じく犀川にある新寺津発電所、内川(途中で犀川と合流する川)の方にある新内川発電所、ならびに新内川第二発電所と計5基の発電所がある。

その中で一番古く、一番大きな発電所が、

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上寺津発電所

 

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この坂をくだってきた

車が一台通れるくらいの道幅しかない。

ちょうど発電所の建物の前から撮ると、こういう画になるのだが、肝心の建物の外観を撮るのを…

忘れた…

 

いや、正確には忘れたわけではない。人が写らないように撮ろうとして建物の外観全体を捉えることができなかった。

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せいぜいこんな感じでしか撮れなかった…

 

さて、この「上寺津発電所」だが、昭和41年(1966年)1月より運転を開始している。

全国でも初の市営による水力発電所だ。

今年2016年がちょうど50周年にあたり、今回のこの発電所見学ツアーも50周年を記念して行われることになったそうだ。

自分はメモリアルなときに中に入ることができたのだ。発電所のことなんかこれっぽっちもわかっていないのに、歴史の立会人のような気になれた。

 

この発電所、建物はそれほど大きくはない。

まず最初に案内されたのは、

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配電盤室だ

奥行きを見てもわかるように、この部屋も決して広くはない。

 

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ドンッと配電盤が置かれている

 

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このパネルにいろんな情報が出ている

現在は、いまどきらしくタッチパネルになっていた。

これを見ながら監視制御を行うのだが、この発電所、普段は人がいないらしい。

決まりとして2ヶ月に一回見に来るだけで、いつもは無人なのだそうだ。

では、普段はどこで制御しているのかといえば、市内5つの発電所を集中監視・操作する発電管理センターというところで行っているという。

※発電管理センターは末浄水場の近くにあるもう一つの浄水場犀川浄水場」にあるらしい。

 

北陸電力の方から電気が足りないからもっと頂戴などと言われたら、それらに対応している訳だ。

 

いまどきっぽい話だ。

ちなみに50年前はこちらに人が常駐していて監視していたそうだ。6時間に1回、発電所の中を点検していたという。寝泊まりもしていたそうだ。

 

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次に案内されたのは水車室

 

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水車室は地下2階にある

なんだかダンジョンっぽかった。

 

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これが水車だ

手前と奥、計2台あった。

この部屋に入った時、水車は稼働中でこの柱のようなものがかなりの速さで回転していた。

おかげで音がグワングワンとやかましく、案内していた職員の方は拡声器を使って説明してくれていた。

 

この発電所のさらに高いところに犀川ダムがあり、そこで貯められた水が流れ落ちてくる力で水車(タービン)を回して発電するのだそうだ。

作られる電圧は6600ボルトと言っていた。

 

回す時の水の量だが、1秒間に6トンの水が流れてくるというのだからビックリだ。

そんな水が人間に浴びせられたら、一瞬で土左衛門になるだろう。

 

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タンク(何のタンクか聴くの忘れた)や

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調速機もあった

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 どうやら三菱製だ

これら水車も現在では発電管理センターで止めたり動かしたりしているようだ。

実際、見学中にいちど水車を止めてくれたのだが、その時も通信機で指示を出していた。

この水車室で操作することはなかった。

おかげで改めて、普段ここは無人なんだなと思えた。

 

続いては、

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所内キュービクル室に案内された

「キュービクル」とは発電所から変電所を通して送られる6600Vの電気を100Vや200Vに変圧する受電設備を収めた金属の箱のことだそうだ。

 

この部屋では写真を使って発電機の仕組みを教えてもらった。

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水車ランナ(羽根車)だ

先ほどの水車の下にあるそうだ。

ここに水が入ってきて軸が回るのだ。

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右側のは発電機の中の様子

普段は緑色のカバーが掛けられていて中を見ることができないため、このように写真で説明してくれている。

この写真は上から覗いたときの様子だ。

発電機固定子というものがあり、それに対して回転子というものもある。

磁極を持つ回転子が回ることで、電気を生むのだ。

 

電気発生の仕組みをざっくりと説明してしまったが、案内の方もこのように説明していた。

この時、まだ幼い子供がさらにツッコんで「それで何故、電気ができるのか?」と言ったことを質問していたが、フレミングの法則とか絡んで子供に説明しても難しすぎて理解できないと思ったのだろう、案内の方も言葉に窮して、茶を濁していた。

たぶん、文系卒の自分が聞かされていてもすべてを理解することはできなかったと思う。

 

実際の発電機も見せてもらえた。

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発電機室だ

室とあるが、外とつながっている。

 

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これが発電機だ

ちゃんと緑のカバーが掛けられている。

この中身が、先ほど所内キュービクル室で見せてもらえた写真となる。

水車の数と同じでちゃんと2基あった。

形を見て、ウェディングケーキを連想してしまった。

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外から見るとこんな感じ

三菱電機と書かれている。

 

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時代を感じる

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 これ大事

ちなみにここでも水車(タービン)の回る音がすごかった。

 

発電所内の見学はこれで終わった。

外に出て、水車で使われた水がどこから放水しているのかも教えてもらった。

 

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ここからだ

建物のすぐ前に犀川が流れていて、床下から放水していた。

写真を撮ろうとしたら、職員の人たちが「気をつけてください」と何度も念を押した。

そこにはフェンスがないので、確かに一歩間違えると落っこちてしまいそうだった。

もっと身を乗り出せばもっといい写真を撮れたと思うが、職員の方々の視線が気になって遠慮したら、こんなチキンなデキになってしまった。

 

放出される水の量だが、聞き間違いかもしれないが、毎秒3.5トンと言っていた。

 

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振り返るとこんなところからも水が

こちらは余った水などを排水しているらしい。

 

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川だけ撮ると渓流だ

 

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こちらは変圧器

狭い坂を写した際にも左側に見えていたものだ。

発電機で作られた6600ボルトの電気を77000に昇圧して送電している。

電圧が高いほうが、送電した時の電気のロスが少なくなるそうだ。

 

写真の、細いとんがりコーンみたいな突起物は遮断器とのこと。落雷等による事故電流を遮断して設備を保護したりするそうだ。

 

最後に…

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建物を挟んで川とは逆の山の方にこんな穴を発見

封鎖されていまは使われていないこの洞穴のような横穴式の通路だが、案内してくれた職員の方にも何に使われていたのかわからなかった。

かなり古く、この建物が建てられる際に使われていたのかも知れない。

 

以上をもって、上寺津発電所見学ツアーは終了だ。

 

 

再び末浄水場に戻る

 またバスに乗って末浄水場に戻った。

バスは緩速着水井の建物の脇に停まったが、降りるとちょうど目の前に小水力発電設備があった。 

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それがこれ

浄水場内にも小さいながら発電設備があるのだ。

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水をどこまでも有効活用

 発電所から戻ってきても、余韻のように発電設備の学習…

なかなかの演出だと思った。

 

当初の目的であった発電所見学ツアーも終え、このフェスタも後にした。

帰り際、入場時に渡されたアンケート用紙に印刷されていた苗木の引換券を利用して苗木をもらった。

 

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センニチコウ

苗木は他にも何種類かあったが、一番小さそうなこれを選んだ。

あまり植物にくわしくない自分は、これがどんな花かわかっていなかった。

後で調べると、漢字では「千日紅」と書くらしい。

花言葉は「色あせぬ恋」「不朽」とのこと。

 

小学生の頃、夏休みに植物を育てるたびよく枯らしていた自分は、正直育てられる自信はなかったが、「不朽」という言葉だけで、余裕かもしれないと思えた。

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 花はまだ咲いていない

それにしても「色あせぬ恋」って…

これが咲く頃には自分はロマンチッカーになれているかもしれない。