初心の趣

カメラ初心者の石川県人が同県を中心に地方の変わった魅力を紹介しています

第1回「百万石金沢クラシックカーフェスティバル」にて古い車に萌える

6月1日~3日、金沢市では百万石まつりだった。メインである百万石行列も2日に行われ、第67回目である今年は前田利家公を俳優の高橋克典さんが、おまつの方を女優の羽田美智子さんが演じていた。ドラマ『サラリーマン金太郎』でも夫婦役だったお二人だ。

行列の日は約42万人(実行委員会発表)が見に来ていたという話だ。マジか…って人数だ。

当まつりは、しかし行列だけが全てではない。前日の夜に浅野川で灯篭流しもある(今年は灯籠が燃えて全国ニュースにもなっていたが)、子どもたちの提灯行列もある、行列の後の夜には踊流しもある、金沢城では「盆正月」もある、ほかにもいろいろとイベントがある。

今年は3日の日に「第1回百万石金沢クラシックカーフェスティバル」も協賛事業として行われていた。

第1回とあるように今年はじめてのイベントだ。

自分は車が好きだ。

庶民が乗る車から大金持ちが乗るハイパーカー、そして自分が生まれる前に誕生したクラシックカーを含め、四輪で動く自動車が好きだ。

行列よりもこちらに足を運んできたので、その写真を並べたい。

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百万石まつり内の新たな催し

第1回百万石金沢クラシックカーフェスティバルは百万石祭り3日目にしいのき迎賓館にて行われていた。

時間は朝の9時~昼の3時まで。

外に展示されているので、入場は無料だ。

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斜めになっているが、その看板

主催は「百万石金沢クラシックカー倶楽部」とある。

今年になって発足した会だそうだ。

その会の最初のイベントがこのクラシックカーフェスティバルなんだとか。

共催は日本自動車博物館。当ブログでもそのトイレばかり注目してしまった小松にあるクラシックカーの博物館だ。

トイレばかり撮ってしまった日本自動車博物館の記事はこちら

石川県でクラシックカーと言ったらその博物館というイメージがある。ここが共催しているということはそれだけで信頼ができるイベントだと、そう思えた。

 

場内の様子

看板によれば展示車両は併せて82台。

結構な数だ。

それらすべてにちゃんとオーナーがいて、現役で使用している車だという。ただの展示用の車ではないのだ。

その証拠に、どの車にもナンバーが付いていた(一部隠されたものあり)。

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ズラッと並んでいる

正直、そんなに数があるとは思ってもみなかった。嬉しいやら、撮るのが大変やらで、心境は複雑である。

すべてを紹介することはさすがに無理なので、まずは場内の全体的な雰囲気を写真で伝えたい。

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むかしのポルシェが数台並んでいた

ほかにもむかしのボルボフォルクスワーゲンのType1もあった。

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きれいなボルボ

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こちらがフォルクスワーゲン

Type1といったらいわゆるビートルなのでこんな形のものを見るのは初めてだった。

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後ろにはビートルの模型

おしゃれだ。こういう細かなところにも車への愛情を感じる。

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ハインケル・カビーネだ

BMWイセッタという車同様に正面(顔の部分)が開いて乗るへんてこな作りのバブルカー(超小型自動車)だ。

すごい貴重な車だ。それでもってかわいい。

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広場の城方向への通路にもならんでいた

こちらではミニやサンババスといったお洒落で可愛いものが並んでいた。

中にはダットサンのフェアレディもあった。

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ダットサンのフェアレディ

日産ではなくDATSUN(ダットサン)なのが渋い。

札には1960年もののSPL212とあったので2回めのマイナーチェンジモデルらしい。

面白いのは…

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左ハンドルだったりする

SPLの「L」は左ハンドルを意味するとのこと。

さらに面白いのは、スマホホルダーと思われるものが取り付けられているところだろうか。古い車だけど現役で利用されているとうかがわせる。

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こちらはモーリスミニマイナー

いまではBMW傘下の「ミニ」だけど、こちらはそれ以前の、1959年ものと書かれてあったからそれこそ初代のミニだ。

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丸型のメーター

昔っからメーターはこの丸形なんですな。こうしてセンターにメーターがあるのがまた渋い。

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ちなみにシートベルトがない

この頃の車ってシートベルトがない。当時は必要なかったのだ。その当時の規格の車だから、今でも付ける必要がない。シートベルトしないと減点されるようになった時代に免許をとっている身分としてはすごい話だ。

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サンババスもいた

フォルクスワーゲンのType2だ。自分はこの車が大好きだ。

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ビートル、ここでも発見

ビートルらしい形をしたType1だ。

この車もミニに負けじとかわいい。

ナンバーに「石」と書かれてあったので石川県にいるのだろう。

「石川」ではなく「石」だけ…懐かしい。昔は県内どれもそんなナンバーだった。

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余談だが、この直ぐ側ではトランペットライブも行われていた

クラシックカー、しかもかわいい系のそれと合う。

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迎賓館の建物の前にもズラリ

こちらの方では、「コレ高いよね」と思われる高級車のクラシックカーも多く並んでいた。

中には個人的に興奮してしまう珍しいものもいた。

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こちらはアルファロメオの「ジュリア スプリントGT」

1966年もの。

現役のもの、自分は初めて見る。

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これはデ・トマソの「パンテーラ」という車

1974年のイタリアの車だ。

たしかエンジンはフォードなので心臓部はアメリカンな一台だ。

かなり珍しい。

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フォードのマスタングもいた

1966年ものだ。初代マスタングだ。

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シートまで馬

マスタングって野生の馬っていう意味なのだが、シートにまでしっかりと馬が描かれている。色の派手さといい、かっこいい。

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すぐそばには「ACコブラ

むかし所さんの番組で見たことがある。

こちらも現役のものを生で見たのは初めてだ。

たしか当時のオリジナルのものだと1億円を超えるんだよね、コレ。

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いろんなレーシングドライバーのサインがしてあった

ヤルノ・トゥルーリとかマーク・ウエーバーとかセバスチャン・ベッテルとかあった。

すげぇな、これ…

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隣にはライバルのコルベット

GM系列シボレーのフラッグシップ車だ。

C2と呼ばれる二代目コルベットだ。

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内装は真っ赤

すんげぇ派手だ。

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ケツもセクシー

コブラコルベットとどっちがいい?と聞かれたら、正直悩む。

自分は初代のカマロが好きなので…と茶を濁すことだろう。

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ほかにも同じタイプのジャガーが2台

クリーム色と赤色の、ともにジャガーE-Typeのロードスターだ。

ジャガーって自分が小学生の時に憧れた。

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このエンブレムの顔にむかし憧れた

いかついけど、どこかかわいい猫ちゃんだ。

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トヨタ2000GTまでいた

007は二度死ぬ』のボンドカーとしても有名だ。

小松の日本自動車博物館にも展示されていたので見たことはあるけど、これまた現役のものは初めてだ。

乗っている人がいるんだね。

レストアされたレプリカ車でも1000万円超えだったはず。当時のオリジナルならもっとだ。

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有鉛ガソリンのステッカー

時代を感じる。

でも自動車用の有鉛ガソリンって、今の日本では販売が禁止されているはず。

ガス、どうしているんだろ?

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可愛い系ではトヨペットトヨタ)の初代クラウンや

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フィアットの500(チンクエチェント)もいた

チンク…ラブリーだ。

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こちらはボルボのP1800

ロジャー・ムーアが出演した『セイント 天国野郎』(62~69年)というテレビドラマでロジャー演じる主人公が使用する車として知られているそうだ。なんでもロジャー自身がチョイスしたのだとか。

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その説明書き

古すぎてドラマそのものを知らない…マニアックだ。

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最後にこちらはベンツ280E 3.5ガブリオレ

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そしてアルビスTA21

このコンパーチブルな2台はパレードでミス百万石に選ばれた3人の女性を乗せていた車だ。

ちゃんと動くのだ。

 

個人的に気になった車

そんな展示されたクラシックカーの中で個人的に気になった、興奮した車がいくつかある。

以下でその車を紹介したい。

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まずはランチア

ランチアはイタリアの自動車メーカーでいまは同じイタリアのフィアット傘下にある。

日本ではあんまり見かけないので、それだけで気になった。

この車名は「フルビア スポルト ザガート」。

ラリーでも使用されていた車なのでまじまじと眺めてしまった。

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するとオーナーの方がエンジンルームを開けてくれた

エンジンは1.3リッター、4気筒。直4だと思っていたら、これどうやらV型らしい。

そしてFFなのにエンジンが縦置きなのだとか。

オーナーの方いわく「意味がわからない」エンジンレイアウトだ。

FRだと縦置きはドライブシャフトに動力を伝えやすいので理想的だけど比べてFFはドライブシャフトがないので縦置きにメリットがない。

縦置きにすることでスペースが狭くなるし、確かに意味がわからない設計だ。

だが、そんな現在の常識を裏切ってくれるのがクラシックカーというもので、それはそれですんごく個性的であり魅力的だ。

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エンジンルーフを開けている姿を外から

カブトムシみたいだ。

こっち側にルーフが開く車も、現在ではあんまり見なくなった。

かっこいい。

 

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つづいてはこちら

アルピーヌの「A110」だ。

アルピーヌはフランスの自動車メーカーだ。一時期消滅していたが、合弁会社として復活して、その株はいまルノーが持っている。

この車「A110」には以前より個人的に憧れがある。

ネットで価格を調べて1000万円以上という値段が出てきた上に、まず市場に出回っていないと知ったときは即刻諦めたものである。こうして生で見られ、しかも現役で使われているものを見れて感激であった。

なんせ、かわいくかっこいい車だ。

ポルシェや最初のビートルと同じでRRの車で後輪より後ろにエンジンが乗っかっている。

そのRRの絶大なトラクションと軽量ボディ(ノーマルでもわずか700kg前後)でラリーでも活躍、WRCの初代マニュファクチャラーチャンピョンにもなっている。

自分はラリーも好きなので、初代チャンピョンという点からずっと憧れていたのだ。

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こちらもまじまじと眺めパシャパシャと撮っていた

するとオーナーの方が現れて、「どうぞ好きにドアも開けて見てください」という。

いい人だ。

恐る恐る開けて撮った写真がこのインパネの一枚だ。

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さらにはエンジンルーフも開けてもらえた

RRなのでケツが開く。

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エンジンもしっかりと撮影

4気筒の1600ccだ。

A110はフランス製の他にスペインやメキシコなどの中南米ノックダウン生産ライセンス生産されたものもあるのだが、1600ccのものはフランス製のものしかないので、この個体は相当レアだ。

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コーションマークも撮影

ノックダウン生産シャシーに1600ccのエンジンを積むこともできるので(要するにパチもん)、一概に1600ccすべてがフランス製とは言えないものの、このマークを見ると、やっぱり本物のフランス製だろうなと思われる。

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かっこよすぎだ

オーナーの方はこの車を20年乗っているという。

消耗品を代えるくらいで、とくに大きな故障などもなく使っているそうだ。

RRだけど派手なオーバーステアになったり逆にアンダーステアがきつかったりするわけでもなく乗りやすい車だと言っていた。

いいなぁ、ほしいなぁ、とマジで思った。

ちなみにオーナーさんは七尾市の方だった。

石川県内にこのレアなアルピーヌがいるのだ。

その点にも鳥肌立つくらい興奮してしまった。

 

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最後はこの一台

車以外の雑貨が車体の前に並べられているのでクルマそのものが見づらい写真ではあろうが、それら雑貨や家具などを含めて、この展示会で個人的に一番に憧れた、一番現実的に欲しいなと思わせた一台がこれだった。

車名はフォルクスワーゲンのType2だ。

先程も別のType2の写真を載せている。

2台いたので2台とも写真を上げてしまうほど自分はこのType2という車、中でもT1という初代のモデルが大好きだ。

日本では「サンババス」なんて呼ばれたりしていた車だ。

もう見た目が可愛くて好みだ。

いまでいえばバンみたいなタイプの車なので内装や外装もこのように好みにコーディネートして世界に一台のみの車に仕上げることができてしまうのだ。

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中の様子はもう秘密基地みたい

移動する秘密基地だ。

レトロな雑貨が『スタンド・バイ・ミー』を思い出してしまう。

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屋根の上にも細かなこだわり

子供用の三輪車が積んであった。

実際のキッズたちのためでもあれば、大人が実用性を無視して乗っても面白そうだ。

なんだろうか、子供の頃のあこがれがいっぱい詰まっている。

子供心を大人になっても持ち続けられるような車なのかもしれない。

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前の窓も開いちゃうし

フロントガラスが開いてしまうのも時代を感じさせる。

クーラーがない(古い車ってだいたいエアコンがない)ので開けると風は入るけど、運転しながらだとほとんどバイクを乗っているようなものなのだとか。

愉快だ。

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ついでにいうと後方にはキャンピングトレーラーも引っ張っている

「Eriba Puck」というやつだ。

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中にはキッチンも

移動できる生活も可能な秘密基地、というわけだ。

旅に行けるじゃないか…

これめっちゃ欲しい…

心の中からそう思ったのだった。

機能的で見た目も可愛くてだから、萌えますな。

 

感想

以上、百万石まつりの協賛事業「第1回百万石金沢クラシックカーフェスティバル」の様子だ。

現地では祭りに来ていた観光客(外人含む)や地元の人たちが見物していてよく賑わっていた。

展示されていた車の数も自分の想像以上で、またその展示されている車の種類もレアなものが多く、目にして感激するレベルの自分好みのものもあったので想像以上に満足できた。

シートベルトもない、クーラーもない、パワステもない等々、今では考えられないくらい不便なところも多いクラシックカーだけど、レトロなそのスタイルはたとえ世代が違っても見ているだけで懐かしい気分にさせてくれる。

ほとんどの車が今でも利用されている現役の車という点も見逃せず、オーナーの方々の愛着と愛情がひしひしと伝われば、その昔のものを大事にするという精神はどこか地元の祭りへのそれと通じるものがあるとも思えてくる。

なるほど、このようなフェスティバルが百万石まつりで開催されたのも、勝手ながら頷けた。

レトロに「モダン」もついてしまうな金沢の祭りとはいえ、これが最新鋭の車を並べるモーターショーイベントでは成り立たないのだ。

クラシックだからこそ良いのだ。

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クラシックカー、欲しくなってきた…

車好きの趣味丸出しの記事になってしまったが、そんなクラシックカーの魅力が少しでも伝われば幸いだ。

それでいて、今後はレトロ且つモダンな車も展示されればなぁと、そんな期待もしてしまった。

レトロモダンなる車が果たしてどんなものか、自分で言っておきながら自分にはわからないが…

あしからず。