初心の趣

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さよなら「パレット」(旧赤坂プラザ)、いままでありがとう

2018年3月31日をもって、金沢市笠舞一丁目にあるショッピングタウン「パレット」が閉店となった。

その最終日にも立ち寄ってきて、最後のパレットを自分なりに満喫してきたので、その姿を、そして思い出を記憶に残しておきたい。

(またしても個人的な思い出残しです)

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2018年3月31日に髪を切りに「パレット」へ

2018年3月31日で閉店になると知り、個人的な思い出残しとして以前、当ブログでも紹介した笠舞一丁目の「ショッピングタウン パレット」。

思い出残しの記事はこちら

「赤坂プラザ」という名前だったころから馴染みがあるだけに、最後の日も足を運ばずにはいられなかった。

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行ってきた

2018年3月31日、最後のパレットだ。

ここ10年、入口左側に見える格安美容室(カット専門)で髪を切ってもらっており、この日もちょうど髪が伸びた頃だったのでカットを一番の目的にして足を運んだ。

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いつものように屋上駐車場へ

大人になってからはもっぱら車で足を運んでいた。そうして決まって屋上駐車場に停めていた。

建物の前にも地下にも駐車場はあるのだけど、広くて空いていて停めやすいという理由で屋上ばかり利用していた。

この坂はむかしから変わっていない。

下手すると赤坂プラザの時代から変わっていないのではないだろうか?

ちなみに高さ制限は2.2メートル。屋上には天井もなにもないのに制限がある。これは子供の時分には不思議だった。

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このように見上げると空

何メートルでもOKじゃないかと思っていたわけだ。

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でも現実問題として、出口で引っかかるので制限がある

写真の右の端の方に見えるトンネル状の通路が出口へ繋がっている。

出口はそこしかないのでどうしたって制限が必要なのだ。

その理屈をわかった時、じゃあどうしてこんな作りにしたのだろうかと次の疑問が浮かんだものだ。

そうしてその疑問はいまでも解けていない。自分としては「それがパレット(旧赤プラ)だ」で済ませたい。

さて、いつものようにこの出口の側の階段から館内へと下りていく。

前回も紹介した踊り場に錦絵みたいなものが掲げられ、挿し花なんかも飾られている階段だ。

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この絵がある階段

絵の下のボードには広告やお知らせが載っている。

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その日はこんなお知らせが

アルビスはこの日3月31日は夕方六時までと書かれてあった。

アルビスに限らず館内は基本的にこの日は18時までであった。

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別の踊り場でこんな張り紙も

この階段、地下まで下りられるんだけど、その地下にあった貸教室は2017年12月31日で終了していたようだ。

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そしてこちらがパレット最後の挿し花

なんだろうか、腕を高く伸ばすバレエダンサーみたいに見える。演技の決めポーズみたいなものだ。

最後を文字通り飾っているのではなかろうか。

そんな階段を下りていくと、自分が通っていた格安美容室も見えてくる。

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カットコムズ パレット店だ

最後のカットコムズパレット店だ。

店頭の看板に張り紙がされており、この日は17時までとされていた。午前中に足を運んで良かったと思う。

中は、やはり混んでいた。

最後の日には、ここ数年ほとんど見かけなかった店長さんもいて、店長さんを指名する人も多かった。髪を切ってもらった後に挨拶している人もいた。

自分も店長さんを指名しようかと思ったけどなかなか順番が回ってきそうになかったので、いつも見かける若い女性の方に切ってもらった。その後に店長さんにも挨拶をした。

自分はこのカットコムズパレット店ができた頃から10年以上通っている。大人になってこのパレットそのものに通うようになったのもこのカットコムズが一番の要因であったので感慨深いものがあった。

思い出もよみがえる。

いつも髪がバサバサでリンスやコンディショナーの話を良くしたものだ。

ここ数年いつも自分の髪を切ってくれていた(自分が毎回指名していた)方はこの日、いなかった。

その方に最後の挨拶を出来なかったのは残念であるが、別の店舗に移るという話を聞いたので、またどこかで見かけることもあるのではないかと思う。

来月からどこで髪を切ろうか?

同じカットコムズだと次に近いところは野々市にあるけど、まだ全然決めていない。

何にせよ「いままでありがとう」と一番に言いたい。

 

最後なのでうどんも食べる

いつもなら髪を切って早々に帰っていたもので、館内の食事処を利用するなんてことはまずなかったのだが、これも最後だということで館内にあるうどん屋にも立ち寄った。

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それが「めん処 あかさか」

赤坂プラザを思い出させるいい名前だ。

最後の日にパレット内で食事ができる処といったら、こことあとはマクドナルドしかない。

以前は喫茶店とかもあったし、自分が子供の頃、まだ赤坂プラザだったころには回転寿司なんてものもあった。

自分は特にパレットになって以降、館内のこういう食事処を利用したという記憶がほとんどない。皆無と言っていいかも知れない。

前々から一度は立ち寄ってみたいと思っていながら入らずにいたので、最後の日にようやく利用してみることにしたのだった。

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定番・看板メニューは「うどん定食(おにぎり2個)」らしい

なにせが初めて入る店で、何が美味いのかよくわからないので入る前からこれを頼むことに決めた。

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カウンター席に座る

入ってみると、個人でやっている喫茶店くらいの広さしかなく、レストランとしては小さめだった。

その中に座敷の卓が5つくらいあり、厨房に背を向けるようにして座れるカウンター席もあった。

自分はそのカウンターの席の中でも一番端に座った。写真はそこからの景色だ。

メニューを見ると品数がかなり多かった(裏面もあった)。

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でもやっぱり頼んだのはこちら

「うどん定食」だ。おにぎり2個付きで699円(税込)だ。

食べてみると、なんだろうか、うどんのこの安心できる味は。

シコシコとしてツルツルとして、むかしよく食べたなぁと懐かしい感じのする味だ。

表面にふりかけをまぶしたおにぎりの中には昆布も入っていた。

自分は小学生のころ学童野球をやっていたのだけど、試合の日にこういうおにぎりをよく食べたような、そんな思い出が蘇ってくるようなこれまた懐かしい味であった。

ごちそうさまだ。

こんな懐かしい気持ちにさせてくれるお店にいままで足を運んでいなかったことが悔やまれる。

帰り際、お店の方にこの「めん処 あかさか」がいつ頃から続いているのか訊ねてみたら、40年前くらい、赤坂プラザの時代から、時に名前も変えながら続けていたそうだ。

むかしからある店なのだ。

そりゃ、懐かしい感じもする。

赤プラ時代、自分も子供の頃に食べたことがあるのかもしれない。

 

パンを求める

めん処あかさかで昼食を済ませた後、デザートを求めるように館内一階にあるジャーマンベーカリーというパン屋に立ち寄った。

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前回も紹介したジャーマンだ

あの後も何度も足を運んでいる。

数日前から閉店感謝セールも行われており、一部対象外製品を除きパンが100円均一で売られていた。

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長年のご愛顧に感謝を込めてとある

さすがに最後の日だけあって棚を見ると売られている商品がほとんどなかった。セール対象品も中央のテーブルに並んでいた数種類の焼き立てのパンくらいであっただろうか。

それでもお客さんはよく来ていて、それらのパンを次々購入していた。

自分もまた二つほど買っている。みんな考えることは同じだ。

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自分が買ったのはこちら

「黒蜜抹茶餡クロワッサン」だ。

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もう一つはこちら

「フライドアップルパイ」だ。

ともにほぼ焼き(揚げ)たてだった。

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クロワッサンの中は抹茶色

抹茶のクロワッサンって、あまり食べたことがない。

茶の味は強すぎず、餡と黒蜜の甘さも出しゃばらないちょうどよいバランスのクロワッサンだった。

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アップルパイもいただく

中はちゃんとリンゴ、それでいて外はフライドだ。

普通のアップルパイは焼いてあって、その食感はパリッサクッっていう感じなのに対し、こちらは揚げてあるのでそのシャクシャクッとしたものだった。

オノマトペ(擬音)だけではあんまり違いがないように思われるものの、その微妙な違いは舌の上では別物のように感じる。

そしてむかし子供の頃に食べた揚げパンにも食感が似ていた。というかほとんどそれなので、食べていてこれまた懐かしくなってくるアップルパイであった。

 

和菓子屋にも立ち寄る

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さらには金沢銘菓・板屋にも立ち寄った

正面から入って奥の方にあるお店だ。

こちらの「板屋」も当ブログで一度紹介している。

板屋に寄ったときの記事はこちら

パレット内で一番むかしからあるお店だ(赤プラ時代からある)。そして、最後まで残ったお店の一つとなった。

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ジャーマンと同じくセールをやっていた

桜餅やみたらし団子といった板屋の和菓子が100円(普段はもう少し高い)で販売されていた。

こちらのセールも人気があった。自分は桜餅も買おうかと思ったら、目の前で5個くらい(もしくはそれ以上)まとめて買っていくお客さんがいて、ちょうど売り切れになってしまっていた。

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団子はゲット

一つ購入した。板屋の商標である剣梅鉢のシールが貼られてある。

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三兄弟な団子だ

そうやって見ると食べるのがもったいなく思えてきてしまうが、いただいた。

さすがにモチモチ。この食感、懐かしい。

うどんにしろ、アップルパイにしろ、そしてこの団子にしろ、子供の頃の記憶を刺激してくれる。終りを迎えるパレットの中で、赤プラ時代の景色に包まれているような心地がした。

ただの思い込みかもしれないけれど、最後にそれらを食べることが出来て良かったと心より思う。

 

最後の館内の景色

足を運んだお店だけでなく、館内の他のスペースも最後ということでブラブラと歩き、写真に収めてきた。最後にそれらの写真を並べたい。

自分のように一眼レフで撮っている輩はさすがに見かけなかったが、思い出に残そうとスマホで館内をあちこち撮っている方はいた。

仲間がいた、と思った。

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その方を最初に見かけた場所

この角度で館内を撮影していたので自分も続いて撮影した。

マクドナルドや靴のオオニシを望める。

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「パレット祭」の広告

この広告、ここ数ヶ月ずっと吊られていたと思う。

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学生服のオートモ

こちらはパレット最後の日でもバリバリ営業中。

ここだけ特殊でパレットが3月31日で閉館した後も4月10日(木)まで暫定営業して学生服の販売だけは続けることになる。

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くらべて一階のスーパーマーケット「アルビス

棚にはほとんど商品が残っておらず、野菜など生鮮食品が置かれているだけであった。

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本屋があった辺り

右手に本屋&文具屋があったのだが、12月で閉店してしまっていた。

写真の奥や左手には以前衣料品店などもあって、自分もよく利用していた。それらは早々に撤退して、ご覧のように木製の衝立で封鎖されている。

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本屋の側のかばん修理屋さんは最後まであった

カバンのほか靴の修理もしてくれ、合鍵も作ってくれる「北陸ホームサービス」というお店。

いつもは女性の方か男性の方、どちらかがお店にいたのだが、最後の日は二人でお店に立っていた。

なお、この北陸ホームサービスと本屋の間にある出口の、さらにその脇の小さなスペースには…

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マッサージ機が置いてある

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8分で100円だそうだ

こんな所にこんなものが置いてあるなんて知らなかった。

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ちなみに側の出口はここに出る

建物の裏側に出る。

ここから入ることは滅多にないけど、自分が中学生くらいのときには何故か何度もここから入っていた記憶がある。

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建物の裏側の景色

ゴミ置き場になっている。近くには桜の木があり、キレイなのか汚いのかよくわからない場所だ。

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ちなみに屋上からその桜を眺めることも…

できなくもない…

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かもしれない

板屋の団子も屋上で食べたので、気分だけは屋上で花見だ。

なお、この屋上に上がる階段は、自分がいつも利用していた挿し花のある階段の他に二つある。

ここ最近利用していなかったそれら階段にも足を運んだ。

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一つはここに通じる

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その階段の踊場にはこんな絵が

ここにも大きな絵が飾られていたとは…

そう思ってしまうほど、この階段はほとんど使用したことがなかった。

ここを下りていくと北陸ホームサービスとアルビスの間あたりに出る。

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もう一つはここに通じる階段

小学生から中学生のころ一番使っていた階段がこれだった。

何故だろうか? 下りた先に好みのお店(たとえばおもちゃ屋さんとか)でもあったからだろうか?

頻繁に利用したことは覚えていても理由までは思い出せなかった。

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入ってすぐにこんな部屋がある

レンタル屋の「レントピア」とある。

子供の頃に、この部屋の中にビンゴゲームか射的か、そんな祭りの屋台やイベントで使うようなものが煩雑に置かれていた記憶がある。

営業しているのか廃業しているのかもわからないところだった。

そのため子供心にはちょっと不気味であった。

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この階段よく使ったなぁ

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ボードにはめん処あかさかのチラシが貼ってあった

この階段を降りていくと一階の「めん処あかさか」のすぐ側に出るのだ。

鍋焼きうどんとかお持ち帰りできたようだ。

また、この階段はそのまま地下にも下りていくことが出来る。

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地下へ

カラオケ屋やゲオのある空間だ。

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階段近くのトイレ

カラオケ BanBanで長時間歌うと毎回このトイレを利用していた。

深夜だと地下鉄のトイレみたいな危うい雰囲気が若干ある。

そんなところだからか、自分の中ではカラオケの思い出とこのトイレはセットになってしまっている。

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カラオケとゲオの間の通路

清掃員が掃除をしていた。

ふと寂しさがあった。

というのもカラオケは営業していたものの…

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ゲオは3月11日ですでに閉店してしまっていた

パレット最後の日までやっていなかったのだ。

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同じく地下にあるゲームコーナー

こちらは最終日もやっていた。

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中学時代によく遊んだエアホッケーも改めて撮影

これで最後だと思って気合を入れて撮ったら、変な画になってしまった…まあ、よい。

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最後の日にカラオケを利用する人も少なくなかった

パレット最後の日は18時までの営業であったが、これら地下店舗は深夜3時まで営業していた。

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地下駐車場では早くも工事?

そう思わせる景色。

あんまり利用しなかったが、雨の日などにたまに利用したこの地下駐車場。入口や出口が狭く、壁に誰かが車で擦った跡も見られたのでS字やクランクなど運転技術が試されるところだった。

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そんな地下から建物正面に出る

この階段も何度利用したことか。

雨の日は滑ることもあるので注意が必要だった。

雪の日はもっと怖かった思い出がある。

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その脇のチャリンコ置き場

中学時代はよくチャリンコでパレットまで来ていたので、あの頃はよく利用した。

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クリニックセンターをバックに正面入口を改めて撮影

クリニックセンターは今後もまだ残るが、パレットの建物そのものは取り壊されることになるのでそのうちこのロゴも見れなくなるのだろう。

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このマスコットもそのうち見れなくなる

見納め&撮り納めだ。

ちなみに以前このパレットを記事にした時、このマスコットの名前がわからないと記したところ、記事を読んでくれた方から「パピちゃん」だと教えてもらえた。

知らなかった…

情報、本当にありがとうございます。すんごくスッキリしました。

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おまけ

パレット前のバス停だ。

バス停の名前は「赤坂」だ。笠舞一丁目だけど「赤坂」だ。

どうして「赤坂」なのかむかしから謎だった。

なんでも赤い坂があったらしく、北鉄バスがこういうバス停名にしたそうだ。

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最後に外より撮影

ショッピングタウンパレットの外観だ。

そのうち取り壊されるため、在りし日の姿として写真に収めた。

笠舞のこの地にこういう施設があったことをいつまでも記憶しておきたい。

それが子供の時分より利用してきたパレット(旧赤坂プラザ)への自分なりの感謝の形だ。

さよならパレット(旧赤坂プラザ)、いままでありがとう。