国道249号線を走っていたら輪島市門前町の道の駅「赤神」の近くに山羊のいるカフェがあった。
動物好きにはたまらないので立ち寄ってしまった。
門前町赤神の近くにある
以前、当ブログにて白山市の山あいにヤギがいるカフェがあると紹介した。
こんな珍しい喫茶店ってなかなかないなと思っていたけど、輪島市の海沿いにもヤギがいるカフェがあったので驚いた。
最初に見かけたのは夏に門前ラリーの「オートテスト」を見に行ったときだ。行きの途中で見かけ、帰りに寄ろうとしていたら時間が遅く閉まっていた。
(ラリーを見に行ったときの記事は→こちら)
それから月日が経って先日、輪島へ行った際に国道249号線を海沿いに走っていたので、改めて昼時に向かうことにした。
そこは門前町の道の駅「赤神」の近くにある。
赤い色の岸壁のトンネルが見えると近い
国道249号を金沢から輪島の方へ走っていると門前町の海沿いで赤い岩の中に掘られたトンネルを通過する。ここを抜けるとすぐそこに道の駅「赤神」がある。
道の駅「赤神」だ
赤い岩のトンネルが目印で看板も赤いのでそこが「赤神」だと覚えやすい。
道の駅には灯台のレンズも展示されている
猿山岬灯台で使われていたレンズだそうだ。能登地震によって機能が停止し、最新鋭のレンズと交換されたのだとか。使われなくなったこちらを海上保安庁のご厚意でこうして展示しているという。
猿山岬灯台はこのあたりにある
ヤギ(+α)のいるカフェ
トンネルも抜け、道の駅の前も通り過ぎ、そこからさらに国道249号を650メートルほど進んだ先に目的のカフェがある。
「カフェ ギャラリー こうや」だ
カフェだけではなく隣では陶器のギャラリーもやっているお店だ。
「ヤギアイス」がある
店の前の看板でも「ヤギ」がアピールされている。
これだけならヤギミルクを使ったアイスが置かれているんだろうなと思うだけだろうが、これら看板に近づく、要するに店の真ん前までやって来るとそうではないことに気づく。自分などは初めて目にした時「え?」と驚いてしまった。
だって、なんかいるんですもん
動物がいるのだ。それもナマモノだ。
これを初めて運転中に横目で見た時、自分はついアクセルから足を離してしまっていた。
近寄ってみると…
リアルでヤギがいるのだ
しかも結構デカい。
さらにはその隣に…
エミューもいた
オーストラリアにいるダチョウみたいな鳥だ。でもダチョウ目ではなくヒクイドリ目ヒクイドリ科エミュー属に分類される。
日本では動物園以外ではなかなか見られない。そんな鳥がこの動物園もない能登にいるなんて、しかも海外沿いにいるなんて思ってもみなかった。
いや、それだけではない、おまけにこういうのもいる。
ポニーだ
馬もいるのだ。
「何だこの小さな牧場は?」と思ってしまうけれど、カフェだ。
カフェの建物はこちら
この建物の隣に駐車場があり、その駐車場を囲むようにポニー、エミュー、ヤギがいる。
ポニーの後方は、台地を少し降りるともう浜辺だ。
海があって動物がいておまけにヤギミルクの食べ物も食べることが出来るカフェなのだ。色んな要素がありすぎてちょっと混乱してくるかもしれないけど、おおらかな気持ちで受け止めて欲しい。
ヤギのミルクを使った自家製の食べ物
お店に入ってみると、右手に卓があり、左手には陶器が並べられていたスペースが有った。
そして入ってすぐ正面にはキリコのようなものがドンッと置かれていた。
卓側の壁には祭りの写真が額に入れられいくつも飾られていた。
海に近くて動物がいるだけではなく、陶器も飾られ、店主が祭り好きなカフェでもあったようだ。
お店には50代から60代くらいの女性の方がいた。夫婦で切り盛りしているお店らしい。
祭りは、ご主人の趣味なのだそうだ。
自分はこの日、昼飯をまだ食べていなかったので、うどんを頼むことにした。
カフェだけど、うどんも食べれるお店なのだ。
しかも、ただのうどんではなく、「ヤギミルクコロッケうどん」(700円)を頼んだ。
どうせならヤギと名の付く食べ物を食べてみたかったのだ。
(その日は寒かったのでヤギミルクのアイスは控えた)
こちらが「ヤギミルクコロッケうどん」だ
ヤギミルクで作ったクリームコロッケが乗ったうどんだ。
コロッケのクリームが濃厚
この濃さは市販のものではまずない。そして少しだけ野の香りもした。
うん、マジで美味い。
ただ、つゆに浸かっているんでコロッケは早めに食べたほうがいい。
食べるのが遅いという人は、コロッケだけ別の皿に乗せて出してもらうというのも一つの手かもしれない。
聞けばこのコロッケ、自家製だそうだ。
外にいたヤギのミルクを使って作っているのだそうだ。
ヤギたちの話
食べながらそんなことを女将さんに訊ねていると、ヤギのお乳が出る時期等々、ヤギについて色々と話してくれた。
ヤギの妊娠期間ってだいたい5ヶ月間だそうで、そしてだいたい3月ごろに産まれるのだとか(ヤギによっては年2回出産するものもいる)。逆算すると10月頃に種付けすることになる訳だが、オスとメスを一緒にしたり離したりは、ヤギの気持ちや家の都合なども考えて調整しているそうだ。
だいたい双子で生まれてくるらしいが、去年は一匹しか生まれなかったと言っていた。
メニューにもヤギの写真
この子ヤギ2頭は9年前に最初に生まれた子たちなんだとか。
このカフェには9回産み続けている母山羊がいるそうで、外にいた白いヤギがその母山羊の子供だそうだ。
この子だろう
メスだと言っていた。
一年に1回出産と考えて9回産んでいるということは9年も前からこのお店をやっていることになる。そのあたりを訊ねてみると、この土地にやってきたのは2007年に起きた能登半島地震の後からだと言っていた。ご夫婦はそれまで、金沢にいたそうだ。
9回も産んでいるけれど、自分が目にした限りこのカフェのゲージ内にいたヤギは3から4頭くらいだった。これまで産まれてきた子ヤギたちはどこに行ったのかと言えば、よそに貰われていったそうだ。県内はもちろん、広島など県外から貰いに来る人もいたと言っていた。
ネットを通じ、ここで産まれたヤギを貰えるという噂が一部で広まっているらしく、欲しいという人が電話をかけてくるそうだ。毎年だいたい5月のGW頃に貰われていくのだとか。
真ん中のゲージにいたこの子も貰われていくのだとか
そんな目で見られると『ドナドナ』が聞こえてきそうになる。
あの曲は子牛で、売られていくのでちょっと違うが。
今年は9回産んでいる母ヤギの年齢や体力的なこともあってどうなるかわからず、その母ヤギに代わるメスも必要になってくることから、産まれてくる子供の数や性別によっては差し上げたりすることはできないかもしれないと言っていた。
それにしても動物を飼うって大変だ。女将さんも自分の分身だと思って世話をしているのだとか。
ヤギたちがいるから遠出もできないし、変な人がいたずらしに来ても困るので買い物をするにしても長くて3、4時間で戻ってくるんだと言っていた。
よほど好きじゃないと、こういうのって出来ない。甘い考えではまず出来ないだろう。
ちなみに女将さんがお店で料理を作り、こうして自分を含め客の相手をしている間、旦那さんは何をしていたかと言えば…
ポニーに跨って浜辺を走っていた
運動させているそうだ。
運が良ければ、こういう風景も見れる。
あれも撮ってあげてと女将さんも冗談のように言うので、お勘定を済ませた後に自分も浜まで出て追いかけてみた。
なんだろうか、撮りながら自分には「暴れん坊将軍」のテーマ曲が聞こえてきそうだった。
なんかカッコイイのだ。
飼うのは大変だけど、やっぱ動物っていいなぁと思えてくる。
地図
この輪島門前町の浜辺にある小さな動物園のような「カフェ ギャラリー こうや」の地図は以下の通り。
能登には大きな動物園がないので、動物がいるって言う点でちょっと貴重なところだ。
輪島に行くことがあったなら、特に動物好きの方は一度立ち寄ってみてはいかがだろうか。
ただし、動物たちは好奇心旺盛でかつ臆病でもあるので、許可なく無闇矢鱈と触ったり挑発するような真似は絶対しないほうがいい。
動物なので人を選ぶ(攻撃してくることもある)。
自分も適当な距離を保ちながら撮っていたので、嫌われることはなかった。
自分としてもまた行きたい。次に行ったときはヤギのミルクのアイスを食べたいと思う。