初心の趣

カメラ初心者の石川県人が同県を中心に地方の変わった魅力を紹介しています

石川県輪島漆芸美術館のマスコット「わんじま」がなんだかカワイイ

石川県の輪島市には漆芸美術館というものがある。

自分も石川県人でありながら名前くらいしか知らず、実際に行ったことがなかったので先日足を運んできた。

そこにいたマスコットキャラクターが自分にはツボだった。

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マスコットキャラクターから漆芸美術館に足を運びたくなった

先日、塩の像を見に輪島市河井町にある道の駅「輪島」(ふらっと訪夢)に足を運んだ。

塩の像を見に行った記事はこちら

道の駅なのでお土産屋さんもある。お店の中に入ってみたところ、見慣れないご当地ゆるキャラのぬいぐるみやグッズが置かれていた。

そのお椀の形をして埴輪のような無機質な表情をしたオレンジ色のシュールなマスコットキャラクターをひと目見た自分は「何だこいつは」とちょっとした衝撃を受けた。なにか惹かれるものがあったのだ。

グッズの説明書きには「石川県輪島漆芸美術館」の公式マスコットとある。

名はわんじまとあった。

輪島に、石川県に、こんなゆるキャラがいたなんて自分も知らなかった。

無性にグッズを欲しくなった自分だが、まずはそのキャラを生み出した輪島漆芸美術館がどんなところなのか確認したく、先日そちらに足を運んだのだった。

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石川県輪島漆芸美術館だ

輪島市水守町にある。朝市通りから車で4分くらいのところだった。

 

まずは館内と作品展を鑑賞

そこは日本が世界に誇る漆芸、中でも輪島塗を知ることが出来る漆芸専門美術館だ。

平成3年(1991年)に開館したそうだ。

輪島塗… 石川県人としては馴染みのある響きだが、いまでは高級漆器のため庶民にはなかなか手が出せない。お椀でも一つ2万円くらいする。沈金や蒔絵が施されたものなどはほとんどアートに見える。美術館が建ってしまうのもわかる気がする、そんな漆器だ。

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庭には枯山水

庭が砂利になっていて文様が描かれていた。

この庭はさすがに立入禁止だ。

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一階のホールにはグランドピアノも置かれていた

そこで演奏も披露される。

自分が館内をまわっていた時、クラシック音楽が聞こえてきたのでおしゃれなBGMだと思っていたらスピーカーからの音ではなく生演奏だった。

当日昼から演奏があったらしく、そのリハーサルをやっていたのだ。ピアノと、もう一人ヴァイオリニストの計二人の女性が演奏していた。

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企画展が行われていた

9月9日から11月6日にかけて「没後50年記念 竹園自耕 蒔絵と図案」という企画展が行われていた。(一般620円。団体割引やJAF割引で510円)

竹園自耕(たけそのじこう)とは明治から昭和初期にかけて活躍し、輪島で初めて帝国美術院展覧会で入選を果たした漆芸家で蒔絵師だ。

戦時中は技術の継承にも尽力なさっていた方だそうだ。

その精細巧緻と言われた輪島塗の作品(箱や盆、その他)や図案が展示されていた。

漆って黒や赤が基本の色なんだけどそれ以外の色もある。そういうのを「彩漆」(いろうるし)というそうで、その彩漆を何層にも重ねた作品がキレイだった。

チラシに写っている作品もそうだ。何層にも重ねてあるので実際に近くで見てみると、文様がこんもりとしているのがわかった。

見れば見るほど、輪島塗ってアートだなと思えてきた。

(でも日用品だったりもするから考えてみるとすごい)

企画展に限らず輪島塗を詳しく説明している常設展示を含め展覧室では撮影が禁止されている。ただし、展覧室以外なら館内で撮っても良いところもある。

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こういったコーナーでは撮影OK

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実際に漆塗りを触り比べることが出来た

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触った

プラスチックと輪島塗では触ったときの質感というより質量が違う。

ペラペラしていないのだ。かといって重いわけではない。鉄を溶かす溶液に入れてもほとんど溶けないと言うから丈夫だ。天然素材だから廃棄しても有毒なものは出ないのでエコにもいいそうだ。ただ高いわけじゃない。

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館内にはうるしの木も展示されていた(許可をもらって撮りました)

(一階にはピアノも見える)

漆液採取後の木だ。ナイフのようなもので刻まれた跡が残っている。

カメラで撮っても良いが、かぶれることがあるので触ってはいけない。

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隣には漆掻き道具の展示も

弁慶の七つ道具みたいだ。

自分は職人さんというものに憧れや尊敬の念があるので、その道具も格好良く見えてしかたない。

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さらに隣には生漆(きうるし)も

これもまた触ってはいけないやつだ。

かぶれる人はすぐかぶれてしまう。

 

マスコットキャラ「わんじま」

このように枯山水ありピアノの生演奏あり、アートとも呼べる伝統工芸品を展示してありと、少し格式が高いと感じさせるところもあるこの美術館に、その格式とは逆ベクトルにありそうなマスコットキャラがいる。

器を触り比べるコーナーの紹介に使った写真に写っていたのですでにそのキャラがどんな奴なのか気づかれた方もいるかも知れないが、ここでそのキャラを紹介したい。

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隅っこにいたこちらのお椀がそれだ

こちらが「わんじま」だ。

設定としてはこの美術館で眠っていた古い輪島塗がある日とつぜん動けるようになったとのこと。

古い器なのでその年齢は江戸時代生まれの約350才らしい。

誕生日は「いいお椀の日」である10月1日。

男の子で五人兄弟だそうだ。

性格は、田舎育ちなのでのんびり屋だとのこと。

そのシュールな顔と性格が、共感できるというか、自分にはツボだ。

こちらの五人写りの時(漫画絵)はややシュールさが際立つが、これがぬいぐるみになるとちょっとかわいくなる。

一階のホールにはピアノの他にその「わんじま」の大きなぬいぐるみ(着ぐるみ?)も置かれていた。

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改めて「わんじま」だ

自分はシュールなふわふわ系に弱いので、このビジュアルもツボだった。

なんだろうか、冷静に見ると可愛くないんだろうけれど、じわじわくるかわいさがあるというか、醸し出す雰囲気までどこかシュールで、やっぱり「かわいい」と自分の目には映ってしまう。

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横顔ドアップ

横顔がさらに無機質。

この「わんじま」、能面と同じで見る角度によって表情が多少異なってくる。

自分は能面のその不思議な魅力やあの不気味さも好きなので、その要素をも持つこやつはやっぱりツボにくる。

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美術館の階段にも小さなやつがいる

格式が高い美術館と書いたけど、こういうのを見ると撤回したくなる。

遊び心をほのかに感じさせる美術館ではないか。

ちなみにこの小さいぬいぐるみ、売店にて実際に売っている。

自分が道の駅「輪島」で見かけたぬいぐるみもコレだ。

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買ってしまった

一つ700円だった。(ネット販売だともう少し高い)

オプション(+30円)でボールチェーンを「ストラップ金具」「バネ付きストラップ金具」「カラビナ」「ワイヤーキーホルダー」「吸盤」のどれかに変えれる。(ネット販売だとオプション料は無料)

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足元はこうなっている

うむ、かわいい。が、立つことはできない。また、頭が上に行くほど大きく、重量のバランスも上に寄っているため、座らせようとしてもパタンッとコケてしまうので、どこかに吊るしておくのが無難だろう。

店内では、風呂に浸かる目玉の親父のように輪島塗のお椀の中に入れられていた。それだと安定もして見栄えも良かった。

輪島塗も買えってことだろうか?

いや、自分としてもいつか輪島塗は買いたい。その気持ちを忘れないためにこのマスコット人形を買ったのだ。

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「わんじま」パッケージのビスコも売っていた

ハロウィンに合わせて売られていたので、こちらも一つ買ってしまった。

150円だった。

期間限定なので今しか売っていないだろう。

 

動画と漆芸美術館の場所

どうだろうか、この石川県輪島漆芸美術館の公式マスコット「わんじま」のかわいさは。

伝わらないって人のために、動画もあったので紹介したい。


わんじま いいおわん-石川県輪島漆芸美術館公式マスコットキャラクター「わんじま」紹介ビデオ

ハッキリ言って、まったりだ。

やっぱり伝わらないって人も多いかもしれないけど、自分としてはこうして紹介できて満足だ。

なお、この輪島の「わんじま」はおわん組合なるものに所属している。

なにそれって思うだろう。そんなものがあったなんて、自分も初耳だった。

日本には「お椀」の形をしたマスコットキャラがたくさんいるそうで、そのゆるキャラたちで結成したユニットが「おわん組合」だそうだ。

輪島の「わんじま」のほかに山中温泉の「おわんさん」、岩手の「わんこきょうだい」、タケヤみその「おわんくん」、高松の「後藤ちゃん」、そして瀬戸の「せとちゃん」がその組合のメンバーだ。

6体の中では「わんじま」が一番可愛げのない顔をしているかもしれないが、自分にはそれこそがツボであって、カワイク見える点でもある。

「わんじま」がいる石川県輪島漆芸美術館の地図

輪島市に行くことがあって「わんじま」を見かけたらどうか愛でてやってほしいです。

こいつをカワイイと思う人は奇特な方(のんびりな方含む)かもしれませんが。