初心の趣

カメラ初心者の石川県人が同県を中心に地方の変わった魅力を紹介しています

中島町の西岸駅が丸っと「湯乃鷺」駅に改名していた

一年ほど前に、七尾市中島町には「駅名と駅名板に書かれた名称が違う駅」が存在すると紹介し、勝手に石川県の七不思議に数えたことがある。

当時の記事はこちら

正式な駅名はのと鉄道西岸駅」(にしぎしえき)で、西岸駅でありながら「湯乃鷺駅」(ゆのさぎえき)という駅名板がプラットホームに掲げてあったのだ。

いろいろと混乱させてくれるその駅が、この度「西岸」を捨てて「湯乃鷺」と丸っと改名してしまっていたので、サクッと紹介したい。

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西岸駅へ行ったら…

10月7日、西岸駅へ寄った。

そこは西岸駅であるはずなのに…

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「湯乃鷺」駅と書かれていた

見間違いだろうか?

いや、見間違いではない。

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ズーム

どう見ても「湯乃鷺」だ。

たしか、ホームに「ゆのさぎ」(湯乃鷺)と書かれた駅名板が設置されていただけであって、駅舎に掲げらた駅名は「西岸駅」になっていたはず…。

自分の記憶違いだろうか。

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いえ、そういうわけでもない

過去の写真と比較してみた。

たしかに以前は駅舎にて「西岸駅」を掲げていた。

 

ホームも…

自分はさらにホームにも出てみた。

するとそこでも…

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湯乃鷺

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YUNOSAGI

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ゆのさぎ

ついでにここも…

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ゆのさぎ、湯乃鷺、YUNOSAGI

あっちでもこっちでも、湯乃鷺であった。

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以前はこんな感じで「西岸」だったのに…

硬派に守るべきものは守っていたのに…

 

湯乃鷺の理由

この西岸駅はアニメ『花咲くいろは』(2011年)で登場する最寄り駅のモデルとなったところだ。

そのため同アニメのファンには聖地とされている。

西岸駅でありながらプラットホームに「湯乃鷺」を掲げていたのも、ファンのためだ。

ファンのためとは言え、硬派(?)に「西岸」の看板だけはちゃんと残していた西岸駅が、この度「西岸」を捨てて(?)あっちでもこっちでも「湯乃鷺」に変えてしまったのは、10月のこの週に金沢の湯涌温泉で「ぼんぼり祭り」が行われるからだそうだ。

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ぼんぼり祭り」と書かれたぼんぼりもあった

ぼんぼり祭り」はアニメ『花咲くいろは』内の湯乃鷺温泉で行われていた同名のお祭りをリアルで再現したものだ。

なんで金沢の湯涌温泉で行われるかと言えば、アニメの舞台である湯乃鷺温泉のモデルが湯涌温泉だからである。

このアニメを知らない人からするとちょっと混乱する話だが、この西岸駅は作中に登場する最寄り駅のデザインのモデルであって、湯乃鷺温泉という作中の舞台のモデルではない。

なんにせよ、その湯涌温泉の「ぼんぼり祭り」が10月8日の夜にクライマックスを迎えるので、それにあわせ、この西岸駅では10月4日に西岸の看板を湯乃鷺に取り替えたのだった。これもまたファンのためだ。

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キレイに取り替えられている

この錆びついた感じも、アニメを忠実に再現しているそうだ。

 

西岸の文字を探す

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こんなところまで「湯乃鷺」

ただ、こうも「湯乃鷺」ばかりで「西岸」の文字がないと、逆にどこかに西岸って文字が残っていないか、探したくなった。

というか、探した。

すると簡単にその文字を見つけた。

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これは変わっていなかった

駅舎の中に掲げてある。西岸駅は別名「小牧風駅」と呼ばれているのだ。

さすがに湯乃鷺駅に別名はないようで、変えようがなかったようだ。

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もう一つこちらも

駅前のバス停留所だ。

駅内ではないので変わってなくて当然といえば当然だ。

それでもなんだろうか、これら「西岸」の文字を見つけた時、「大事なものは守れた!」と生娘みたいな安堵があった。

そうして、来年にはこれらもしっかり「湯乃鷺」になっているんじゃないだろうかと、娘を持つ親のような心配を一瞬してしまうのであった。

もし、本当にここまで変えてきたら、のと鉄道ってすごい… というか怖ろしい。

 

ちなみにこのファンのためのあっちこっち「湯乃鷺」現象は10月9日まで続いているそうです。

 

まったくの余談

アニメとまったく関係がないのでまったくの余談になるが、「西岸」の文字を探している時、駅舎の倉庫のようなところも窓越しに覗き込んだ。

以前足を運んだ際、そこには「能登のめぐみ」という能登海洋深層水のにがりを使った何かが入った箱が何箱も積み上げられ、部屋いっぱいにあったのだが…

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減ってた…

一体誰が、どこで使っているのか…?

自分にとっては、湯乃鷺いっぱい現象より驚いた。

あしからず。