初心の趣

カメラ初心者の石川県人が同県を中心に地方の変わった魅力を紹介しています

電飾を見に「デコトラ in 輪島2017」へ夜行った

9月23日、輪島市のマリンタウン(朝市の近く)の特設会場では「デコトラ in 輪島2017」というものが行われていた。

能登半島地震震災復興10年を記念して今年初めて開催したイベントだ。

日が沈んでからだが、足を運んでみると豪華に装飾されたトラックが100台近くも並んでいたので軽く紹介したいと思う。

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自転車だって電飾デコレーション

 

 

10年前、能登半島には大きな地震があった

いまから10年前の2017年3月25日9時41分58秒に石川県輪島市西南西沖40kmの日本海マグニチュード6.9の地震が発生している。

犠牲者も一人でた。

阪神淡路大震災新潟県中越地震、最近では熊本地震、そして東日本大震災と比べると小さな地震と思われるかもしれない。輪島を舞台にしたNHKの朝の連続テレビ小説『まれ』でもまるでなかったことのように完全にスルーされていたので、国民の記憶にもあまり残っていないかもしれないが、県民としてはあの揺れも、家屋などへのダメージ(自分の田舎では墓もカチャカチャになっていた)も、ライフラインの寸断も、そして支援があったことも忘れてはいない。

そんな震災からの復興にトラックが活躍している。運転手さんの中には東北や熊本地震にて炊き出しのボランティを行っている方もいるそうだ。

この「デコトラ in 輪島2017」はそれら義援金の協力を呼びかけるためにも開かれたイベントだ。

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イベントステージもあった

開催時間が午前11時からで、石川県出身の芸人によるショーや太鼓なども披露されていたそうだ。自分が到着したのが6時過ぎの日が暮れた頃なので、そのときはもうステージでのイベントはすべて終わったあとだった。

デコトラなのでその電飾を見るなら日没後に行くのがいいだろうと考えたからであったが、その点は少し後悔している。

夜になったことで確かに電飾が点灯して映えるものの、暗くなった分、荷台等に描かれた絵画やペイントは見づらく、光量が少なすぎて写真でも撮りづらくなっていたのだ。

 

トラックの電飾やペイントを見て回る

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なんにせよデコトラがいっぱいいた

どれも展示用のトラックではなく、現役のトラックだ。

むちゃくちゃ派手だ。

現実的な見方をすると、車検とかどうなっているんだろうかと考えてしまったが、大半のものは通るらしい。

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闇夜に浮かぶ電飾の雅(みやび)

光量が低い紫系の電飾は夜だと妖しさがあった。

そしてそれらを一斉に撮るスマホの画面の紫も、なにげにキレイだった。

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一番星号」もいた

映画『トラック野郎』(1975年~79年)で菅原文太さん演じる主人公・星桃次郎が乗っていたトラックだ。

映画シリーズ終了後、藤原徹治さんという方が引き取り、現役のトラックとして使用されていた。排ガス規制などから使用が困難になると、トラック愛好家が集まる「全国哥麿会」の会長さんに譲られたそうだ。

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荷台のペイントを上手く写せなかった…

これが悔やまれる一番のポイントだ。昼間にも来たかったなと強く思った。

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場所によっては夜でも写せたペイントも

周りのトラックの電飾の光のおかげで、このように夜でも写せたペイントもいくつかある。

撮れたものを以下に並べたい。

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歌舞伎もあれば

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七福神もある

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天女もいれば

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俳優(哀川翔さんだろうか?)もいる

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西部警察だって

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ドラゴンボールもいた

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ついでにこういうのも

なんでもアリだ。思い思いに好きなものをペイントしている。

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ペイント以外ではこういうのも

ペイント絵画ではないが、荷台の中が座敷になっているものもあった。

これ、かなり面白い。まわりにギャラリーもたくさんいて、みんなしてスマホで撮っていた。

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掛け軸まである

むっちゃ寛げそうだ。ただし、運転中はむっちゃ揺れるかもしれない。

このように電飾もペイントも装飾も、かなり自由な世界だった。

 

デコトラの迷言に注目してしまう

その派手さ以外にも、個人的にデコトラに書かれた名言(迷言)のような文言(文句)にも目が行ってしまった。

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こういうのだ

外連味があるというか、舞台の口上で聞けそうな文言だ。

行燈(アンドン)板に一文字で書かれたものなどもありそのスタイルは様々で、笑ってしまうものも多い。職業柄こういうのにはついつい注目してしまう。ということで、気になった文言も3つほど写真で並べてみたいと思う。

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男のロマン、車は絶品」

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「鬼嫁不満、女は別嬪」

ラップのように韻を踏んでいた。

デコトラに不満を抱いている嫁さんを持ち上げながらデコドラ道に邁進しているところにどこか涙ぐましいというか、なんだか共感してしまう。

まあ「女は別嬪」の「女」が奥さんとは別の女だったらキツイものがあるが。

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「花は櫻木」

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「俺は雅行」

ドライバーさんの本名だろうか。韻は踏んでいるがそのまんますぎて笑ってしまった。

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「貧乏暇なし」

わかる…。

ステキな文言がばかりだった。

デコトラの楽しさはペイントと電飾だけではないと、声を大にしていいたい。

 

感想

午前11時から開催していたのに夜にだけやって来てしまった「デコトラ in 輪島2017」。イベントに乗り遅れてしまった感はあったものの、ド派手な電飾を見れただけでも十分楽しめた。

行燈板に書かれた文句が面白いという点が特に自分にとっては大きな発見だ。

今回紹介したもの以外にも名(迷)文句は数多くあったので、その行燈板の文字だけで一記事できそうな予感までした。

今後自分は、町中でデコトラを見つけるとペイントだけではなく行燈板の文字もチェックしていくことになるだろう。

勝手に楽しみすぎて復興記念のこともちょっと忘れてしまっていたが、それは愛嬌ということで勘弁していただきたい。

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最後に「なんば一番蛸佐ん」のたこやきを食べた

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とろっとしてソースの味と香りに懐かしさがあった

美味でした。こういうことでしかお金を落とせないけれど、そのあたりもご勘弁を。

ちなみに出店はほかにもあった。デコトラ好きが好きそうなグッズなんかも売られていた。ただ、さすがにステージイベントが終わったあとはちらほらと店じまいが始まっていたので、何か食べたい、何か買いたい時はやはり日の入り前にはやって来たほうが良いと思われる。

来年以降もあるのだろうか? あるなら今度は昼間に足を運びたい。

ついでにカッコイイ&面白い文句がもっと増えていてくれたら嬉しい。