初心の趣

カメラ初心者の石川県人が同県を中心に地方の変わった魅力を紹介しています

川北町の食堂で「かわきた味噌豚どん」を食べた

以前、道の駅でたまたま見つけて購入した「石川トランプ」

県内市町村の名所・名産等が絵柄になっているそのトランプによると、石川県能美郡川北町には「かわきた味噌豚どん」という食べ物があるらしい。

どうして川北町で味噌豚丼なのか?

気になった&食べたくなったので昼時に食べに行ってきた。

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石川トランプを見て

当ブログでは足を運んだ県内の大きな市町ごとに「カテゴリー」を作って、右側のサイドバーに並べている。

このあいだそれを眺めていると「川北町」に行っていない事に気づいた。

川北町って頭に「能美郡」が付くので根上町のように能美市に組み込まれているものだと勘違いしやすい。正直に話すと、自分も勘違いしていた一人だ。

その川北町に何があるのか改めて調べる際に石川トランプを活用したのだ。

新聞や雑誌、テレビ、さらにはネットと現代の世の中には情報源となるものも多いけれど、市町が協力して作られた石川トランプはある意味どの媒体よりも信頼性がある。

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ダイヤ(鰤起こし)の4番が川北町の味噌豚どんだった

石川トランプで紹介される市町の「いいところ」はだいたい名所だ。食事が取り上げられているのは珍しい。

どこで食べられるのかネットで調べてみたところ料亭やレストランなど6つくらい紹介されていた。

その一つに食堂があったのでそこに行ってきた。

自分は庶民だからか、料亭とかよりも地域の食堂の方が行きやすい。

 

大口食堂さんへ

川北町壱ツ屋にある大口食堂さんに行ってきた。

地名の壱ツ屋はこう書いて「ひとつや」と呼ぶ。

(ナビで検索する時、探すのに少し苦労したのでここに記しておきたい)

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こちらが大口食堂さん

昔ながらの地元の食堂だ。

看板を見る限り、焼肉もやっているようだ。

中に入ってみると、右手にカウンター、左手には壁や襖と言った隔たりが一切ない座敷になっていた。

カウンターの端の上方にはテレビが置かれ、甲子園出場をかけた地方予選の試合が流れていた。

昭和の終わり頃の食堂って何処もこんな感じだったなと懐かしくなる。

地元に帰ってきたような感慨があって、なんだか落ち着く。

自分は自然とそのテレビに近いカウンターに座っていた。

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カウンターの様子

店内、タバコもOKだそうだ。

自分はタバコを吸わないので関係ないが、昨今、喫煙できるお店が減ってきているので喫煙者にはありがたいのではないだろうか。

メニューを見ると、食堂なのでラーメンや丼、うどんや定食やオムライスがあり、焼肉もあった。

焼肉も食べたくなったけど、頼むものは決まっているのですぐに「かわきた味噌豚どん」を注文した。

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こちらが「かわきた味噌豚どん」だ

おしんこや味噌汁もついて750円だ。

作るのも給仕も一人でやっていた女将さんに撮影の許可を取ったところ気さくにOKしてくれた。

スマホで撮るものだと思っていたのか自分が一眼レフを取り出すと驚いて笑っていた。

まあ、普通こんな客いないですわな。

さらに女将さん、撮影にあたって器が汚れていないか気にかけたりもする。ノリがいいというか樂しい方だ。

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半熟卵が乗っている

いや、川北町には温泉もあるし、温泉タマゴだろうか。

どちらにしてもトロトロであった。

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トロトロさと豚の柔らかさが合う

豚バラこそが焼肉の王様と思っている庶民の自分からすると、豚の柔らかさだけでもかなりの好みだった。プラスしてタマゴのトロトロさなので、さらに口溶け(肉なのに)が良いように感じてバクバクと行きたくなる。

また、味噌豚とあるが、そこまで味噌の味はきつくない。

むしろほのかに甘みが感じられる。しかも甘みは甘みでも果実系の甘みだ。

このほのかな甘みがまた美味い。

最初、タマゴの柔らかさがそうさせるのかとも思ったが、食べれば食べるほど果実系だとわかったので、このあたりを女将さんに聞いてみた。

すると、使われている味噌にいちじくジャムが組み合わされているとのことだった。

川北町って石川県内でも有数のいちじくの産地らしい。

特産であるいちじくを広めるためいちじくを使った料理を町の商工会議所の皆さんで考えたのだとか。そこで誕生したのがいちじくと地元の無添加味噌をあわせ、豚肉にまぶしてできたこの「かわきた味噌豚どん」だそうなのだ。

ちなみに豚は特に川北の名産ではないらしい。(近くではとれる)

ということはつまり「かわきた味噌豚どん」は、「いちじく」の名前が一切入っていないけれど「いちじく」を活かした「いちじく」を広める料理だということだろうか。

混乱してきそうだが、混乱させてくるところがなんだかすごい。

「『いちじく』が丼の名前に一つも入っていないというところがミソ」と強引にまとめることにしよう。

 

後記

お勘定の時、川北町のことを色々と話してくれた気さくな女将さんにこのお店がいつから続いているのか訊ねてみると、元々おばあちゃんがやっていて、かれこれ40年近く続いているという。

う~ん、すごい。

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改めてメニューを見ても「昔ながら」だ

このメニューを見ていると、焼肉もやっているようだからいちじくを利かした「かわきた味噌豚」をそのまま焼肉にして食べれないだろうかと考えてしまった。

あのトロトロタマゴとあわせて丼にするから美味いのかも知れないけれど、いちじく利用の妄想は広がる。

何にせよ、また食べにいきたい。