初心の趣

カメラ初心者の石川県人が同県を中心に地方の変わった魅力を紹介しています

足湯の旅7 飯田わくわく広場(珠洲市)

無料で足から疲労回復、健康増進、井戸端で語るより足湯で語れ、の足湯の旅7回目だ。

今回は珠洲市飯田町にある「飯田わくわく広場」に立ち寄ってきた。

金沢市からは150km近く離れているのでなかなか気軽にとは行けないが、珠洲市に足を運んだときにはふらっと立ち寄りたくなる足湯だった。

 

飯田町の公共広場にある

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飯田わくわく広場にそれはある

ここは飯田町の公共スペースだ。

上の写真の建物は多目的ホールのようなところで、イベントを行ったり会議に使ったりすることもできる。

誰でも使えるのだ。

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段差のないバリアフリーのような広場

お年寄りもよく利用する広場であり施設なので、たとえば電動の車椅子でも立ち寄りやすいように作られているのではないだろうか。

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足湯はこちら

櫓のようなものの傍にあるこの小屋が足湯だ。

段差にもちゃんと手すりがついていた。

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あちこちに手すり

滑りやすい石段の上など、欲しいところにちゃんと手すりが設置されていた。

やはりお年寄りの利用も考えられた作りなのだと思う。

 

先客がいた

 

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実際、自分が立ち寄ったときにはお年寄り数人が先客としていた

なんだか縁側で会話をしているような、そんな楽しげな声が聞こえてくる。

世代に隔たりもあるし、自分が入っていっていいものかしばらく遠慮の気持ちが働いたくらいだ。

とはいえ待っていても失礼に当たりそうなので、

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中へと入っていった

靴を簀子(すのこ)の前に置いている方もいたが、中には下駄箱のような棚もあった。

もしかしたら靴以外の物を置く棚だったのかもしれない。

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よくわからないうちに靴と鞄を置いていた自分

間違っていたらごめんなさい。

まあ、先客の皆さんの誰からも怒られなかったので、良しとしたい。

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その先客の皆さんの足

自分が入る前に、皆さんの足を撮ってしまっていた。

カメラを肩に下げながら入室したものだから、皆さん自分のことを新聞社のカメラマンか何かだと勘違いしたようで、撮られる気満々でいたのだ。中には髪型まで直して構えていた方がいたくらいだ。

津幡の足湯に行ったときにもこんな勘違いをされた気がするが…、まあ、いいか。

でも、そんな会話がきっかけで、すぐに皆さんと打ち解けれたような気がした。

 

話をしながら足を湯に

話を聞いてみると、皆さん地元の方であった。

この足湯や広場は社交場になっているというのだ。

足湯そのものもカラダによく、普段は3回くらいトイレで目をさますのに湯を利用した晩は一回で済むようになったと言って豪快に笑う方もいた。

こんな会話からもわかるように、皆さん、ご高齢だ。

自ら教えてくれた(自分が訊ねたわけではない)その年齢はどの方も70歳を超えていた。

6人くらいいた全員それくらいの年齢なのだ。中には80歳半ばのおばあちゃんもおられた。

正直に言おう、皆さんお元気すぎて、少なくとも10歳は若く見えた。

これはお世辞ではない。それくらい喋っているだけですごい活力を感じるのだ。

その元気の源は、やっぱりこの足湯なのだろうか?

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あやかりたくて、自分も足を浸してみた

すんごく濁った湯だ。

何でも、ここの足湯は源泉らしい。

効能表を見ると、その泉質は「ナトリウム-塩化物泉」とあった。

効能は神経痛や関節痛、五十肩、うちみやくじきなどなど。

ここまで濁っているものの、ニオイはきつくない。

温度は40℃~42℃だそうで、自分の体感としてはやや熱い程度だった。温泉としてはちょうど良い湯加減である。

家が近くて毎日来ている方もおられるようで、その方がおっしゃるには季節によってはぬるい時もあるのだとか。

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赤くなっていく足

5分くらい浸けていただけでこれくらい赤くなっていた。

こう赤くなるのは水温のせいか、それとも成分のせいか?

先客の方々の中に一人珍しい人がいて、みんな足が赤くなっていくのにその人だけ白肌のままだったという方がいた。

その方曰く「私にはあまり効かないのだと思う。赤くなるのは効いている証拠」とのこと。

そういうものなのだろうか? 自分にはよくわからない。

私にはあまり効かないと言いつつも、その方もこの足湯にはよく来られると言う。

こうして他愛のない話(時に下ネタを話すこともあるらしい)ができることが健康や長生きに繋がっているのかもしれない。

この足湯は確かに地元の人達の憩いの場であろう。そしてその地元の人たちの気さくさのおかげで、自分のような珠洲市外からやってきた者にとっても居心地の良い場所であった。

自分がこの足湯にやってきた時は、皆さんすでに30分は浸していた後だったようで自分より先に帰って行かれた。

帰り際に一番高齢だったおばあちゃんが「これから欝気味の友人を慰めに行ってくる」と言っていたが、長生きの秘訣や活力の源が人情にもあるように思えてきた。

憩いの場となっているこの足湯は、そんな人情を育む場でもあるのかもしれない。

 

足湯で一人になる

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自分ひとりとなった足湯の中

ガラス障子のような窓のおかげで光の入り方に情緒があった。

夕方とかだともっといい画が撮れるかもしれない。

(夕方まで粘れなかったのは自分自身の時間の都合です)

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湧き出す温泉

自分が来たときには動いていなかったのに、皆さんが帰りだすと急にお湯が湧き出してきたからちょっと驚いた。

変な所を触った覚えはないので、定期的に循環しているのだと思いたい。

一人で足湯もいいけど、一人だとこういうわからないことにちょっと不安になることもある。

天秤にかけたら、やはり足湯は、誰かがいて会話できた方がいいなぁ…。

そんなことを思った今回の足湯の旅であった。