映画ソムリエを目指す猫

〇〇なときに観たい映画をレビューしており候。

『スパルタンX』 仕事も含め生活を明るく楽しくしたい時にみたい映画

スパルタンX

公開:1984年8月11日(香港)

上映時間:98分

監督:サモ・ハン・キンポー

脚本:エドワード・タン

製作:レナード・K・C・ホー

音楽:キース・モリソン

撮影:ウォン・ニョクタイ、チェウン・イウジョー

出演:ジャッキー・チェン、 ユン・ピョウ、 サモ・ハン・キンポー、ローラ・フォルネル、ペペ・サンチョ、ベニー・ユキーデ、キース・ヴィタリ、ハーバード・エデルマン、他

 

あらすじ

スペインのバルセロナにてワゴン車「スパルタン号」で移動軽食屋を営むいとこ同士のトーマスとデービッドは、ある日、精神病院にいるデヴィッドの父の恋人の娘・シルヴィアといろんな悶着の末に知り合うことに。一方、私立探偵で二人の知人・モビーも彼女を探し出す依頼を受けていた。美しくも男から盗みを働く謎多きシルヴィアだが、ある一味によって誘拐されてしまい、三人は助けに行くことになるのであった…

 

レビュー目次

 

 

何度も見た映画

個人的なことを言わせてもらうと何回観たかわからない映画だ。

フジテレビによる日本語吹き替え版(TV板)に始まり、吹替版と使用されているBGMが違う英語吹き替え日本語字幕板、そして広東語音声による日本語字幕板と、いろんなバージョンを観てきた。

TV版で好きになって、レンタルやDVDで改めて見ようとした結果、これらバージョンをすべて観ることになった。

この猫の目の好みで言えば、幼い頃に最初に目にして、まだ小さかった私を虜にしたTV板が一番だ。

普段、私は洋画を字幕でしか観ない。また、このTV版では一部のシーンがカットされている。それらを差し引いてもTV版が好みだ。

 

シリアスさを殆ど感じない

本作はジャッキー・チェン、ユン・ピョウ、サモ・ハンの3大スターが出演する、当時の香港映画好きにはたまらない一本だ。

誘拐あり、救出あり、格闘ありのアクションでありながら、そこは80年代の香港映画らしくコメディ要素があちこちで盛り込まれている。

シリアスな場面というものがあまりない。あったとしても、どこかにコミカルな演出を挟んでくる。

シリアスなシーンの一つであると思われるジャッキーとベニー・ユキーデとの最後の格闘シーンでも例外ではない。

その戦闘中での「リラックスだ、稽古のつもりでやれ」(TV板)とジャッキー演じるトーマスが自分に言い聞かせる台詞が印象的であり、この映画全体を語っているようにも思えた。

ド派手なアクション、危険なアクション、痛そうな殴り合いも、重すぎないために徹頭徹尾楽しく見ていられるのだ。

 

仕事に遊び心を加えている主人公たち

思うに、登場するキャラクターたち、特に主役のトーマスとデヴィッドの性格がライトでたくましく、それでいて社会的常識を基本的にわきまえている点がその理由になるのだろう

ワゴンで軽食を移動販売している彼らは決して金持ちではないが、人生がすごく楽しそうだ。

トーマスのスケボーに乗りながらの料理の提供シーン一つとっても、仕事の中に遊び心が伺える。それでいて一理あるから格好良く見えてしまう。

このシーンを見ているとつまらない毎日の仕事も、自分たちの特技を活かしたり、工夫次第でいくらでも楽しめるのだと気づかせてくれるのだ。

そんな性格だから、二人は二階より尻から落ちても、お金を盗まれても、それが自業自得なら理不尽なマジギレをすることもない。

不器用ながら恋だってすれば、人情があるから人助けもする彼らを見ていると、庶民の毎日の生活って、こういうものでいいんだよなっていう安心を得られる。

変な話、この映画を何度も見ていると、視聴中リラックスしてしまっている。

 

普段のトレーニングって大事だと気付かされる

そしてまた普段のトレーニングはしたほうが良いなともこの映画を見ていて気付かされる。

毎日の生活を楽しむには体力が必要であるし、もし乱暴な男たちに追われる女の子を助けるにしても、お城に忍び込むなんて非日常的な事件に巻き込まれることになったとしても、それができるのも体を普段から作っているからである。

そんな事件、普通じゃありえないことは承知していても、起きてしまった時に体力ないから無理と拒むことになるよりも、明らかによい。

人生にスパイスを加えるには、またそのチャンスを逃さないためには、普段から体だけは動けるようにしておかなくてはならないのだ。

そして、体を作って普段から動けるという状態でいると、不思議と心の余裕もできる。

その余裕があれば、ますます仕事に遊び心を盛り込むような真似もできるというものだ。

よく「恒産なくして恒心なし」と言われるが、恒産(それなりの安定した財産)だけではなく恒体(こちらは私の造語。要するにある一定の安定した体力)も必要であるのではなかろうか。

 

吹き替え(特にTV版)が面白かったから

なお、視聴中、このように思えるのは、主人公たちやその知人で私立探偵をしているモビー(サモ・ハン)たちの台詞、特にフジテレビ版の吹き替えの面白さに寄るところも多い。

子供の頃「今夜はご辞退」「もっとあげちゃう」「発射準備完了、発射!(ソースぶちまけ)」「避ければ大丈夫」「一心同体三銃士」といった台詞を何度真似したかわからない。

あの頃はただ面白いから真似していたが、こういった言葉のセンスも、人生を謳歌するには必要なのだろうと大人になって気づいた次第である。

真面目すぎてもダメだし、もちろん不真面目すぎても、社会常識がなさすぎても駄目だ。

その塩梅を見極めるセンスを磨けば社会でのコミュ力にも繋がるだろう。

 

なんだか、随分と飛躍した解釈をしているが、こんなことをしてしまえるのも、おそらくこの映画を子供の頃からアホみたいに何度も見てきたからだと思われる。

まあ要するに、そう解釈したくなるくらい、私自身がこの映画、特にTV版を好きだということだ。

 

↑こちらのセットならTV版も視聴可能