初心の趣

カメラ初心者の石川県人が同県を中心に地方の変わった魅力を紹介しています

足湯の旅4 天神の湯(津幡町)

顔は出したくないけど足なら出す。

ついでに膝下からデトックスされる足湯の旅。

その4回目だ。

今回は石川県内、河北郡津幡町にある「天神の湯」に向かった。

3月に石川トランプなるものを津幡の道の駅で見つけたときにも一度足を運んでいるのだが、12月1日から3月末日までは冬季休業中ということで入れなかったので4月1日に足を運んだ。

4月1日はちょうど土曜日で仕事も休みであった。

今季の営業開始日に足を運べたことは運がいいと思えた。

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天神の湯だ

金沢方面から国道8号の津幡北バイパスへと走って、倉見で降りたところにある。

「金澤烏鶏庵」の看板が目印だ。

というのもこちら、烏骨鶏卵のカステラやプリンなどで有名な金澤烏鶏庵を経営している「株式会社 中国医食研究所」が掘削した足湯なのだ。

地域のために、建物を備え無料で開放しているのだから恐れ入る。

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駐車場も無料だ

駐車場は建物の傍の小さな坂を登った所にある。

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建物の前には飲める冷泉も

この冷泉、北陸でも珍しい自噴温泉らしくて、名前を「天来の湯」いうそうだ。

「天来」はこう書いて「てんらん」と呼ぶ。

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ポリタンクに汲んでいた人もいた

浴用としては神経痛や関節痛、筋肉痛などに適用され、飲用としては慢性消化器病や慢性便秘、糖尿病などに適用されると書かれてあった。

ただし、一回の量や一日の量の目安など注意事項も書かれていたので、正しく使わなければならない。

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さて、入ろう

と、思ったとき、急に男の人(確実に自分より年上の人)に話しかけられた。

この足湯についていろいろと話してくれるので、地元のリピーターかと思えた。

自分も、3月に一度ここに足を運んで入れなかったことなどを話し、このあたりは冬季雪が多いのですかといったことも訊ねながら中へと入った。

入ってさっそくカメラを構えると、人も入れて撮ったらどうですといったことまでその方は話しかけてくる。

どうやらこの方、一眼レフを首からぶら下げてやって来た自分を、別の人と勘違いして話しかけていたらしい。

というのも、営業開始日であるこの日、新聞社の取材が来る予定になっていたそうなのだ。

ということで、その話しかけてきた方というのは、この足湯の管理人の方でした。

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その方の計らいで撮った写真がこちら

こういう写真を撮りたかったわけじゃないのに、こういう写真になった。

しかも人を入れて撮ったほうがと言われたのに、お客さんも自分自身も遠慮してしまって結局人を入れずに撮ってしまっていた。

そのときに、この方も別の人と勘違いしていることに気づかれたようだ。

自分としても、個人の趣味で撮りに来ている旨を話した。

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こういう写真を撮りたかった

これがいい写真かどうかは別だけど、こういうのを撮ろうとしていたわけです。

 

さて、自分も早速足を浸してみた。

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毎度のように足だけは写す

今季の営業開始日の正午前のお湯は湯気が立っていた。

温まれそうだと思って足を入れたところ、かなり熱かった。

熱くて足をすぐに引っ込めてしまったくらいだ。

何度トライしても、長く浸していられないのだ。

でも、目の前の方(おばあさん)は普通に足を入れていた。

このとき自分は、足湯の旅で最初に訪れた湯っ足りパークでの失敗を思い出した。

足湯は、湯が出ているところが特に熱いのだ。

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この角のところに注目

写真では見づらいが、給湯口らしきものがある。

自分は最初、この角っこに座って足を浸していた。

そりゃ熱いに決まっている。

目の前のおばあさんや、管理人の方に促されながらポジションを移した。

この一枚は移った先で撮っている。

 

移った先でもなかなか熱い。

それでも耐えられない熱さではないのでしばらく浸していた。

浸しながら熱さにも慣れると、今度は引き上げるのがもったいなくなってくる。

これは、一種の足湯マジックだ。 (足湯あるあるとも言う)

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炭酸温泉らしい

若返りにも繋がるそうだ。

引っ込めたくなくなったのもそういうことからかもしれない。

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1100mまで掘削して源泉を引き込んだそうだ

管理人の方がそう教えてくれた。

 

さて、この案内にも書かれてあるように、ここの足湯、手足湯だ。

足湯だけではなく手湯もあるのだ。

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こちらで手も浸して温めることができる

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このように足湯と手湯、両方を一度に使える

こんな足湯、自分にとっては初めてだった。

管理人の方も、これがここの足湯の特徴で、手湯、足湯両方を使うことでさらに健康にいいことを教えてくれた。

こういう珍しいものは何でも体験してみたくなる自分である、もちろん自分でも試した。

足湯に浸りながら、カメラを脇において、両手をザブンだ。

両手を浸しているので、当然写真を撮ることができない。その様子が一枚もないのはご容赦して欲しい。

泉質がナトリウム一塩化物強塩泉(高張性弱アルカリ性温泉)らしく、手を入れるとヌルヌルした感覚があった。

また、手湯の方は足湯の方と比べるとまだぬるめであった。

ぬるめと言ってもぬるいわけではなく、熱すぎずぬるすぎずの長く浸していられるちょうど良い温度だ。

おかげで、これまた長く浸けていたくなってくる。

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浸けたまま眠くなるくらい心地よい

端っこに写っているお子様たちは、自分のすぐ隣で足湯に入ろうとして、熱すぎて浸せないと顔をしかめていたのに、温い方へ移って手湯にも浸してからはすごく楽しそうであった。 

実際、浸していれば浸しているほど気持ちが良い。体もホカホカしてきた。

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案内にもこのように書かれている

自分の場合、ホカホカしすぎて、10分くらい経った頃にはじっとりと汗をかいていた。

この日の外の気温は10℃くらいだ。自分はタートルネックのセーターを着ていた。

普段、あまり汗をかかないタイプの自分であるが、そのセーターを脱ぎたくなるほど暑くなっていた。

最適の時間は20分とあるけど、そこまで手足ともに浸けていたら、まるでサウナに入っているときのように汗をかいていたかもしれない。

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ジャンパーは足湯の段階で脱ぎ捨てていた

のぼせたら、そこで一休みすることもできます。

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寝っ転がるとこんな天井が見える

梁が見えるってなんか良い。

足湯に浸しながら寝っ転がるのもアリかも。

ただし、気持ちいいからといって、ずっと浸し続けてもいけないらしい。

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案内にはこんなことも

病気の予防や美容効果を狙うなら30分くらいが最適で、それ以上は逆効果らしい。

自分の目の前にいたおばあさんは地元の方だと言っていたが、入り慣れているのだろう、本当に30分くらいで引き上げていた。

 

ところで、このように足を浸し、他のお客さんたちと話をしながら写真を撮っていると、そのうちカメラを首からぶら下げた中年くらいの男の人が一人入ってきた。

他のお客さんたちを含めてこの足湯の光景をカメラで撮り始め、管理人の方にインタビューもしていた。

どうやら新聞記者の方だった。自分は管理人の人に、その方と間違われた訳だ。

さすが記者さん、足湯の長さなど細かいところまで聞いていた。

 

汗もかいてきたので、自分もそろそろ引き上げようかとしていた頃、その新聞記者の方が自分に話しかけてきた。

自分としてもまさかとは思ったが、インタビューされたわけだ。

取材じみたことをやっているところを逆に取材されるって妙な気分だった。

というか、なかなか恥ずかしいものだ。

名前まで聞かれるし。

それよりも困ったのは肩書を答えたときだ。

実は自分、普段はとある企業内でライターをしている。

ライターと言ってもルポルタージュ系のもとはまた違うライティング業だ。(このブログの記事のようにカメラ抱えてルポじみたことをしているのはいまの仕事とは一切関係がなく、あくまでプライベートの趣味でやっていることです)

しかもいろいろと守秘義務もあって、どう答えていいのか説明に困ってしまっていた。

説明しきれず、結局その記者さんに出してもらった結論が「フリーライター」であった。

その自覚はなかったけど、何かに特化した専門ライターではないことを考えると「フリーライター」でいいのかもと変な納得をしてしまっていた。

ということで、自分の肩書は「フリーライター」だそうだ。

今後、またどこかで肩書を聞かれるようなことがあったなら、そう答えることにしよう。

趣味で始めたカメラでは、狛犬写真家を自称しようかと目論んでいますけどね。

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足を抜いてみると茹で上がったみたいになっていた

ふくらはぎあたりで線を引いたみたいに浸していたところだけ色が変わっていた。

長く浸けすぎると逆効果になるというのもわかるけど、「こりゃ効くわ」というのが自分の感想であった。

自分の場合、夜まで足のホカホカ感が続いていた。

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帰り際、烏骨鶏のカステラを食べたくなった

さっぱりして、デトックスされた自覚があると、さらに健康的なもの(しかも美味しいもの)を食べたくなったのだ。

正直、商売が上手いとも思った。