初心の趣

カメラ初心者の石川県人が同県を中心に地方の変わった魅力を紹介しています

ランクルフェスで傾きながら走るクルマを撮る

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土曜日、ラスパ白山というショッピングセンターの特別駐車場にて「ランクルフェス」と呼ばれる、トヨタランドクルーザーのデモンストレーションが地元販売店「石川トヨタ自動車」によって行われていたので足を運んだ。

理由は単純で、クルマが好きだからだ。

ランクルことランドクルーザーは荒れ地走破用のいわゆるクロスカントリー(略して「クロカン」)の日本代表みたいなもので、ぬかるみや段差を車体を傾けながら走ってしまえるスグレモノだ。いわゆる乗用車でなかなかそんなことはできない。

その珍しさを、一度写真に収めてみたかったのだ。

 

ただ、その日は台風が列島に近づいていたこともあり、天気が悪かった。

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いまにも降りそうな曇り空

カメラ本体は一応、防水だが、レンズが濡れると面倒なので、雨が降ってきたら切り上げる予定でいた。そのため撮影としては、雨が降るまでどこまで撮れるかが勝負だった。

 

ミッション1:展示された車を撮る

デモ走行の写真の前に展示されていたクルマをいくつか紹介する。

展示されていたのは計7台くらいだろうか。

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新型のランクルとラリー仕様車が展示されていた

こういう車のイベントには大概クルマの展示がある。レース車やセールス用のクルマだけでも、好きなら見に来たくなる。

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こちら最新のランクルの座席後ろ

普通にテレビがついていた。助手席だけではなく運転席の後ろにも同じように着いていた。900万円近くしているだけあって、内装は充実していた。

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こちらは「TEAM JAOS」のラリーカー

アジアクロスカントリーラリー2015にてクラス2位、総合8位を獲得したクルマだ。

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ボンネットピンが普通の車じゃない感を出している

カーボンボンネットなどでよく見られるボンネット用のピンです。吹っ飛んでいかないように強度を上げるため付けられたりします。

ボンネットには雨粒も見える。このときから少しずつパラパラと雨が降り始めていた。

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RECARO(レカロ)のフルバケットシートもエグい

こちらもいかにもレースカーといった雰囲気を出している。

シートを倒せないので運転席では寝れませんな。

 

この他にも「14R60」「86のレーシングカー」「初代クラウン」の展示もされていた。

若者から年配の方まで楽しめるようなチョイスだと思う。

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こちらが「14R60」

スバルの「BRZ」と兄弟車であるトヨタ「86」の、サーキットでの使用を前提としたモデルだ。100台限定で実際に発売されていて2014年10月には商談申込みが終了している。

価格は630万円だった。

日産から99年に出ていたR34のGT-Rの当時の新車価格がそれくらいだったから、なかなか高い「86」だ。「至高の86」なんて海原雄山みたいな呼ばれ方をされているのもわかる。

 

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こちらは「Red Wing」の86レーシングカー

「Red Wing」とは「石川トヨタ」のレーシングチームのことだ。

2014年にはこの車で鈴鹿で行われていたレースにも挑戦していたようです。

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顔アップ

顔の右半分、または左半分の方が自信あるっていう女性の方も世の中には多いと思う。この86は左半分の方が格好良く見えた…気がする。

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ケツ

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そしてドライビングポジション

もっと無駄なものを取っ払っているのかと思ったが、想像以上に市販車っぽかった。

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メーター周りも

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シフトレバーも

小奇麗だ。

ガチガチのレーシングカーよりもこれくらいのほうが自分には好みだ。

 

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こちらは初代クラウン

色がなかなかビビットだ。

1955年くらいのクルマ、しかも高級車… 当時の車のほうが何かとハイカラだと思う。

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斜めから、そしてリヤ

ケツの形がむかしのアメ車やヤンキーの改造車みたいにも見える…

やはりハイカラだ。

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このボタンをプッシュしてドアが開く

当然、電子式ではなく機会式だ。

実際、押してみた。現代の車のノブと比べるとオモチャみたいな反応だった。

このレトロな感じがたまらない。

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それにしてもキレイなクルマだ

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インパネや

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ペダルもこのとおり

 このクラウンはいわゆる「レストア」された一台だ。

レストアとは、老朽化などで劣化したり故障した車などを修復して復活させることだ。

説明書きによると石川トヨタの方々がかなり試行錯誤して直したそうだ。

「古い車=あちこち傷んだクルマ」というイメージがあってクラシックカーにあまり興味がなかったが、ここまでキレイに修復されたのを見ると、自分のレトロ趣味を刺激されてレース仕様車よりも欲しくなった。

 

 

ミッション2:傾いて走るランクルを撮る

だいぶ車好きの趣味の写真のようになってきたところで、いよいよ本題の傾くクルマの写真を並べることにする。

ミッション2としたが、実は最初に撮ったのがデモンストレーションの方だった。会場に到着したときにはすでにデモが始まっていて、トヨタの方がどういう仕組でホイールが回っているか、傾くクルマを前に説明しているところだった。

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デファレンシャルやセンターデフについて説明するトヨタの方々

自分はセンターデフの存在を、テレビゲームの『グランツーリスモ』をやりながら知った口なので、説明を聞きながら四駆の車でレースする光景が一瞬頭に浮かんだ。

ランクルなどでは、例えば後輪の片方がぬかるみや溝にはまって、どれだけエンジンを吹かしてもタイヤが空回りするだけで抜け出せないとき、デフロックして前輪をより回すようにすることで抜け出させる、という仕組みだ。

デフは左右のホイール、センターデフだと前後のホイールの回転数に差をつける装置なのでそういうことができる。わかんない人にはなんのこっちゃとなる話だが、自分もむかしゲーム『グランツーリスモ』を始めた頃は、なんのこっちゃだった。

何にせよ、

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モーグルで片輪がハマって空転しても

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ほかのタイヤがより回って抜け出せるよ、ということです

 

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ちょっとした坂(バンク)も片側のタイヤで…

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登っていけます

この車、しばらくこの体勢で停まってました。

自分としては、この傾きを可能とするサスペンションの方にも興味が湧いた。

 

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黄色いランクルも登場

こちらはお客さんを乗せてのデモンストレーション。

今回のフェスではプロドライバーが運転するランクルに同乗して荒地走破を体験することもできたのだ。

ここではその傾きっぷりを伝えるために、しばらく活動写真のフィルムのように画像を羅列する。

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最初はフラットなところから発進

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いきなり落とし穴にハマったように右前輪がガクッ

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無理やり抜け出して…

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片足抜いてももう片足がハマる田んぼの泥の中を歩くように今度は左がガクッ

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そこを抜けると同じところで今度は左後輪がとらわれる

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右前輪が完全に浮いてます

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でもシレッと脱出

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そんでもってこちらもバンクを片輪走行

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これまたシレッと着地

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調子に乗って右側も跨いでみせるランクル…助手席からするとケツが跳ね上がったはず

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そして何ごともなかったようにまた着地

 

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雲行きが怪しい…でも、こういうシチュエーションもクロカンなら似合う

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またまた傾くランクル

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何だか地面に沈んだように見えた

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最後はクライムへ一直線

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気のせいかレッサーパンダみたいな動物が頑張って高い所に登っているように見える

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頂上でちょこんと居座るとなんかかわいい

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でも次には下り始めるやんちゃなランクル

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荷重が前方にもろ移動…乗っている人はフロントガラスに体が突っ込みそうな気分かも

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と思ったら、バックで坂を上るおちゃめなランクル

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再び下って

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 この何ごともなかったかのような顔だ

 力強くて愉快な車だ、ランドクルーザー

 

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そのあと、シルバーの方も負けじと登っていた

 急坂を登っている車って、やっぱりかわいく見える。

 

自分も同乗したかった

 傾く車を撮れただけでかなり満足だった。ただ、欲を言えば自分も同乗してプロドライバーの運転を体験、そしてその傾きっぷりを車の中から撮りたいとも思った。(もっと欲を言えば自分でハンドルを握って悪路走破もしてみたかった)

実際に受付に行ったものの、同乗体験するには昼休憩を挟んで2時間待ちの状態であったのだ。さすがに時間的に無理があった。おまけにいよいよポツポツと雨も降ってきたので今回は諦めることにした。(悪天候になると中止になる。実際2時間後には本降りになっていた)

帰路、86のレーシングカーやレストアされた初代クラウンを間近に見れた興奮が続いていて、またランクルに同乗できなかった口惜しさもあった自分は、途中で「浪漫遊」(服や本やゲームなどの総合リサイクルショップ)に立ち寄ると、その昂りに任せるように、またモヤモヤした気持ちを払うように、

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漫画『頭文字D』を全巻、大人買いしていた

 学生時代に読んでいたこの漫画。以前より久しぶりに読みたいと思っていたので手を出してしまった。

ちなみに全巻丸ごとラッピングされているのでかなり重く、レジに持っていった際に女性店員が腕をプルプルさせながら袋に入れ、自分に手渡していたので、思わず笑ってしまった。

家に帰ってからその重さを量ってみると、

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9.9kgあった

ほぼ10kgだ。

女性からすると、たしかに重かっただろう。